スペイン、バルセロナの象徴ともいうべきサグラダファミリア。
このスペイン1の観光名所は、〝カタルーニャ〟地方の言葉で「聖家族教会」という意味です。
人気の建築家ガウディの代表作ですが、着工から120年以上経つ現在も未完。
いまだ工事中です。
それでも、世界遺産に登録されました。
サグラダファミリアには、構造や建築様式、彫刻、有機的な美学、記号論的な暗示などなど数多くの魅力がありますが…
まずは気になる、ダ・ヴィンチコードならぬガウディ・コードの話ふくめて、サグラダファミリアのあらましをご紹介します!
目次
サグラダファミリアの名前の意味とは
サグラダファミリアは、現地のカタルーニャ語で正式名称「Temple Expiatori de la Sagrada Família」。
訳して「聖家族贖罪(しょくざい)教会」。
expiatori は英語でexpiatory、〝罪滅し〟や〝つぐない〟〝贖罪〟を意味します。
しょくざい 【贖罪】
犠牲や代償を捧げることによって罪を贖う(あがなう)こと。諸宗教に広く見られるが、とくにキリスト教の教義としてのそれがよく知られる。自分では贖うことのできない人間の罪を、神の子であり、人間となったイエスキリストが十字架の死によって贖い、神と人との和解を果たしたとする。
その和解は神の方から人へ与えられた恩恵であるとみる。赦し。
世界宗教用語大事典より
〝贖罪〟とは、キリスト教の根幹をなす教えで、イエスが十字架の死によって人間の罪を償ったと考えます。
それゆえ、サグラダファミリアの建設もすべて個人の寄付、罪を償うために献金されるわけです。
サグラダsagradaの意味は英語でsacred。
〝神聖な〟とか〝神に捧げられた〟というニュアンス。
ちなみに「聖家族」とは、イエス・キリストと聖母マリア、養父ヨゼフを表わします。
最初に設計したのは、ガウディじゃない
サグラダファミリアは、カトリック団体のサン・ホセ協会(スペイン語で聖ヨゼフのこと)が、貧しい人々のための教会として建設を計画しました。
最初、バルセロナ建築大学の教授だった、建築家フランシスコ・デ・パウ・デル・ビリャールが無償で設計を引き受け、1882年3月19日に工事がスタート。
でも翌年、協会との意見の対立から建築家は辞任してしまいます。
そこで後任として選ばれたのが、当時無名だった30歳のアントニ・ガウディです。
(アントニオ・ガウディはスペイン語表記名で、カタルーニャ人のガウディとしてはアントニが正しい呼び名です)
ガウディは設計を練り直し、1926年に亡くなるまでその建設に取り組みます。
晩年の15年間は、サグラダファミリアの建築現場のそばに寝泊まりしていたとも。
信仰厚いガウディは、このサグラダファミリアの仕事を無報酬で引き受け、さらに自分の貯金をも建築費に注ぎました。
まさに、精魂込めてサグラダファミリアの建設にあたったという感じです。
サグラダ・ファミリアの謎
無名の建築家だったガウディに、二番手とはいえ、これだけの仕事の依頼が来たのは…
ガウディが「フリーメイソン」のメンバーだったからという話があります。
(ホントのところは、師匠にきた依頼を、師匠が弟子のガウディに任せたということのようですが)
また一説には、最初の設計から携わっていた師匠がビリャールと対立したのだったかもという説も。
とはいえ、ガウディ=フリーメイソン説も、あながち噂だけではなく…
サグラダファミリアには、その証を示唆する謎の彫刻がいくつか存在します。
たとえば、東側にある「生誕のファサード」の聖母マリア像の上には、フリーメイソンのシンボル「プロビデンスの眼=全知全能の眼のマーク」があります。
アメリカの1ドル紙幣にもあるマークです。
ま、でもこの全知全能の眼は、いわゆるキリスト教のデザインでもあるので…
これだけで、フリーメイソンともいえないのですが。
で、真裏にあたる西側「受難のファサード」のユダがイエスに接吻する像のそばには、4×4列の魔法陣があります。
ユダの接吻シーンは、兵士たちに誰がイエスかを知らせる合図で…
この魔法陣の数字、タテ・ヨコ・ナナメ330通りの足し算の結果は、つねに33。
イエスが亡くなった年齢、さらには復活した歳の33になるといわれています。
フリーメイソンには33の階層があるとされていて、この33には深い意味をもたせています。
とまぁ、ほかにもいくつか暗示的なものがあり…
赤い十字架とペリカンの像は、フリーメイソンの18階級めを表わしていて、ガウディがその18階級だったというものなどです。
サグラダファミリア以外のガウディ作品にもこうしたサインが見られるので、フリーメイソン話がまことしやかに語られるのでしょう。
・
で、真相は分かりませんが、ガウディがフリーメイソンのメンバーだろうとなかろうと、素晴らしい建築家だったと結ぶ書籍が多いのは、事実です。
フリーメイソンとは
全世界に「ロッジ」と呼ばれる支部をもち、総じて社会的地位の高い者たちで構成されているとされる秘密結社のこと。日本語でよく知られる結社名のフリーメイソンは、英語で結社の会員を意味する「Freemason」から来ており、本当の結社名はフリーメイソンリー「Freemasonry」である。石工の集まりに起源をもつとされているためか、徒弟制に類似した名称の階級が存在する。
実用日本語表現辞典より
サグラダファミリアの完成は?予定の2026年にズレ
この数年、ガウディ没後100年の2026年の完成を目指して突貫工事で進んできたサグラダファミリア。
ですが、残念ながらCOVID-19の影響により2020年3月に閉鎖され、工事の遅延を余儀なくされています。
東の「生誕のファサード」、西の「受難のファサード」、南の「栄光のファサード」と、3つのファサードが完成。
18予定されている塔の内8つが建設されています。
2番めに高い「マリアの塔」は2021年に完成予定でした…
2020年現在、完成予定のメドは立っていません。
でも…
ガウディの言葉として、引用されることの多い
La obra de la Sagrada Família va lentamente, porque mi Cliente no tiene prisa.
「サグラダファミリアの仕事はゆっくりと進む。私のクライアント=神は、急いでいないのでね」
という言葉をいま一度、かみしめるときなのかもしれません。
チケットはネットで事前購入がベスト
サグラダファミリアはスペインNo.1の人気観光スポット。
当日チケットの購入は長蛇の列に並ぶ覚悟が必要です(12月初め私用で行ったときは列はありませんでしたが、買えるのは夕方遅くの時間だけでした)。
サグラダファミリアの公式サイト[チケット]で予約購入しましょう(2020年12月現在閉鎖中)。
サイトは英語、スペイン語、カタルーニャ語のみですが、むずかしい単語は出てきませんのでトライ!
ただし、チケットがメールで送られてくるので、くれぐれもメールアドレスを間違えないようにしましょう。
キャンセルも、メールを入れて1時間足らず(時差の考慮は必要)でできたので、臆せず公式サイトで予約してください。
チケットは6種類。
- ガイド付きチケット
- 塔へのエレベーター&ガイド付きチケット
- オーディオガイド付きチケット(日本語チャンネルあり)
- 入場チケットのみ
- ガウディ博物館の入場券付きチケット
- ガウディ博物館の入場券
チケット予約をしていない場合は、オープン直前に行き、チケットを購入。
うまくすると、直後あるいは当日の何時間後に入場できます。
サグラダファミリアへの行き方
サグラダファミリアへのアクセスには地下鉄が便利。
メトロのL2線とL5線が走る Sagrada Familia(サグラダファミリア)駅の出口の前にサグラダファミリアがあります。
地図を見ると、サグラダファミリアが街の中心にあるのが分かります。
バルセロナに行くには
サグラダファミリアのあるバルセロナへは、日本からの直行便がありません。
ヨーロッパの各都市を経由して、バルセロナに行くのが王道です。
乗り継ぎふくめたフライト時間、最速で、だいたい15時間半。
シーズンによりますが、エコノミークラスで7万〜15万円くらいです。
安い分、フライト時間は長くなります。
で、もしビジネスクラスで行かれるなら、6時間近く時間がよけいにかかりますが…
ものすご〜くサービスがよいので、カタール航空がおすすめです。
(コチラの記事を読んでいただければ太鼓判の理由がわかっていただけます→カタール航空のビジネスクラスが世界一と聞いて搭乗。ほかの航空会社と比べてみた)
時間が許されるなら、ぜひ試してみてください。
満足できると思います。
カタール航空はかなり頻繁にセールを行うので、料金を一概にはいえないのですが…
「カップル割」なるセールもあって、これだとヨーロッパ往復2名で約45万円なんてこともあります。
50%オフのイメージですね。
確実にほかの航空会社のビジネスクラスよりも安く、そして世界一のサービスが受けられます。
(ニュースレターの配信に登録しておくと、セール情報が入るので、料金をチェックしたい人は登録しておくと便利です→e-ニュースレター登録ページ)
ワタシ自身、日程のタイトな仕事でバルセロナに行くのでなければ、絶対カタール航空で行きます。
それくらい、よい航空会社だと実感しているので。
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