スリランカを旅する人なら、ほぼ必ず訪れるだろうというNo.1観光名所、シーギリヤロック。
で、この世界遺産。たしかに不思議な岩山で、なんと5世紀後半に描かれたフレスコ画や狂王伝説がのこってます。
ここシーギリヤロックでは1000段もの階段を上ることになるので、登り方から楽しみ方、ばっちりお伝えしましょう!
目次
スリランカのシーギリヤロックへの行き方
シーギリヤロックがあるのは、セイロン島の真ん中、ちょっと上あたり。
スリランカ最大の街で、国際空港にも近いコロンボから約180km。
クルマだとコロンボから4時間以上かかりますが、
最近は国内線のフライトが増えて、飛行機でも行きやすくなりました。
で、フライト時間30分。
時間のない人にはグッドニュースかと。
料金は200USドル(約22,000円)です。
【日本人ガイド同行の現地ツアーを試すのもアリ】
ローカルバスを利用して、コロンボから日帰りでシギリヤに行くツアーもあります。 より快適な車での移動のリクエストもできるようです(別料金)
この世界遺産、まずは遠くから眺めて楽しむ
このシーギリヤロックは、高さ200mの岩山。
森の中にポッコリ突き出たこの不思議な岩山は、スリランカらしい、じつに〝ふんわり〟とした世界遺産です。
かつてこの頂上に王宮があったという場所で、一時期、スリランカのパワースポットとしても騒がれました。
いまでも、海外からの観光客だけでなく、スリランカの人たちにも大人気の観光名所、遺跡です。
で、最初の観賞ポイント(最後でもいいんですけれども)が、遠目のシーギリヤロック。
ついつい気がせいて、すぐに登ろうと思っちゃうのですが、少し離れた位置から眺めるのを忘れないよう。
シーギリヤロックからクルマで10分くらい離れた位置で、観賞するのがおすすめです。
この岩山の不思議な魅力というか力を見てとることができるはず。
いろんな方向から見るのも、表情がかわって面白いです。
シーギリヤロックに、いよいよ登ります!
さて、サルたちの歓迎を受けて、シーギリヤロックに到着。
周りはぐるり濠で囲まれてます。
なんでも王宮があった当時、この濠には侵入者を防ぐためにワニが放たれてたとか。
いまでもその子孫のワニたちがいるらしい…
半分冗談かと思ったら、ガイドさん、まじめな顔で「見たことある」というんで、どうやらほんとうの話らしいです。
入場料30USドル・3,900ルピー(約3,000円・けっこう高い)を払って、まず参道をテクテク行きます。
参道両脇、雨季なら水辺の風景が見られます
参道の両脇には貯水池がたくさんありますが…、みごとに干上がってました。
さすがのドライシーズン。
雨季になると水がたたえられて美しいらしいのですが。
で、シーギリヤロックには大きく4ヶ所の見どころがあって、参道から向かって右側の半洞窟にフレスコ画の「シーギリヤレディ」。
参道正面に見える、横に広がるオレンジ色の壁が「ミラーウォール(鏡の回廊)」。
左側を回りこんだところに「ライオンテラス(ライオンロック)」があります。
そして、頂上に「王宮の遺跡」です。
と、参道の両脇の貯水池ですが…
帰りぎわに見つけた見取り図によると、大きな池の真ん中に〝夏の離宮〟みたいなものが、かつてはあったようです(10番)。
ちなみにこの図の13番が「ライオンテラス」。
後でのお楽しみです。
で、参道の途中、向かって右側に洞窟があって、ブッダの像があるらしい…
(残念ながら混んでて、見れませんでした)
シーギリヤロックにはこうした洞窟というか岩場が、ほかにもいくつかあって、うっすら壁画がのこっているものもあるのだそうな。
さて、スリランカ名物1000段階段がはじまります
この2つの岩の間を通り抜けるところから、いよいよ本格的な〝シーギリヤロックの階段〟がスタートします。
頂上まで1000段。
頑張っていこ〜!
岩山に近づいて見上げると、こんな迫力。
かなり、あははな感じです。
左に見えるオレンジの壁が「ミラーウォール」。
美女軍団「シーギリヤレディ」にうっとり
さて、いよいよ5世紀後半に描かれたという「シーギリヤレディ」を見に行きます。
そのまま進んで先に「ライオンテラス」、そして頂上へと行くこともできますが、
順当に、レディたちを拝んでから頂上を目指すのがおすすめです。
そのほうが頂上の王宮跡で、古代に思いを馳せるのに、妄想しやすいので。
で、上り専用・下り専用のらせん階段があります(多くの通路が進行方向で分かれてます)。
このらせん階段けっこう急で、金網ネットでおおわれてますが、同行した高所恐怖症の人いわくヤな感じらしいです。
美女に会うのも、なかなかたいへんです。
で、らせん階段を上りきると、「シーギリヤレディ」と呼ばれる18人の美女たちが描かれた場所に到達(2017年春から、一般的には撮影禁止です)。
元シーギリヤ博物館館長に教えていただいたところ、
このレディたちは後宮の女性たちといわれていますが、〝雨の妖精〟とか〝天女〟というのが有力な説だそうです。
シーギリヤロック全体にも多くの貯水池があるので、やはり雨は貴重ということですね。
王さま、半裸の美女たちの絵にエヘラエヘラしてたわけではなく、水源対策の雨ごいだったのでありましょう。
ちなみに現在のこるレディたちは、風雨を避けられる半洞窟のような位置に描かれていたので、奇跡的に素晴らしいコンディションを保っているといわれています。
鉱物や植物の天然顔料を使っているとはいえ、1400年以上もの歳月を経ているとは思えないみごとな彩りです。
日本でいうと7〜8世紀に描かれた高松塚古墳の壁画みたいなものなのかと思うと、ちょっと覆いをしただけでのこっているのは、スゴイことだと思います。
ただ、シーギリヤ創建時には、岩肌ぐるりに500体ものレディが描かれていたそうで…。
しかも「ミラーウォール」に映って、その数、倍。
通路をめぐるたびに、半裸のレディたちに囲まれるわけですから、やっぱり、ちょっとイッちゃってる王さまだったのではとも想像します。
シーギリヤロックの「ミラーウォール」って映るの?
レディたちを堪能したら、また例のらせん階段を降りて、次なる見どころ「ミラーウォール」へ。
谷側のオレンジの壁が「ミラーウォール」、鏡の回廊です。
かつては岩山をぐるりと囲んでいたので、鏡の〝回廊〟と呼ばれていますが、いまは、一部だけがのこってます。
なぜに鏡かというと、卵とライムで磨き上げ、反対の岩肌に描かれたシーギリヤレディを映しこんでいたからだそう。
この回廊、いまは通路をいく人影がなぁんとなく感じられる程度ではありましたが…。
さて、ここを通りすぎると、だんだん〝高さ〟を感じるようになってきます。
ちょっと足がすくむ人が増えてきますが、行き交う人が多いので、そんなには気になりません。
でも、高所恐怖症的には、かなりヤな感じだそうです。
王宮への入口を守るシーギリヤロックのライオン
と、しばらく行くと広場「ライオンテラス」に出て、ひといき。
げげっと驚くほど大きなライオンの足の爪先があり、まんなかを階段が上へとつづいてます。
かつてはライオンの顔まで彫像があり、その開いた口のなかを階段がとおっていたそうで、ライオン(=シンハ)の喉(=ギリヤ)→シーギリヤというわけです。
階段上部の両脇、爪先から想像してライオンのタテガミのあるあたりの岩肌を見ると、彫像を支えていただろう痕跡がかすかにのこっています。
教えてもらわないとなかなか見つけられないのですが、よかったら探してみてください。
スリランカのスズメバチ事情
で、このライオンの顔のあったあたりの左側に、じつは大きな大きなスズメバチの巣があります。
夏は、このスズメバチが猛威をふるって、最悪、頂上に登れないこともあるとか。
「ライオンテラス」の広場には、避難所のケージまで用意されてます。
で、どうしても登りたい人は、防護スーツを借りて登るらしいのですが、これが汗でビチャビチャ。
決して心地よいものではないらしい。
「仏教の教えで、殺生はいけないとされている。
それに、薬品で巣を無くしても、また来年には同じ場所に巣をつくるからね」
ということでありました。
良寛さんが、蚊に血を吸わせてあげるのに、蚊帳から足を出して寝たという話を思い出しましたが、
そう、このスズメバチに対する姿勢が、じつにスリランカ的。
ワタシは他の場所でも、この疑問をぶつけましたが…
彼らの答えは一貫して〝あるがままがベスト〟。
頑ななのではなくて、そういう哲学なのだと思いましたね。
最後の試練!思いっきり急な階段
で、頂上までの最後の階段を上ります。
上の写真だと、そんなに怖くないと思うのですが…
こう見ると、けっこうキツイ。
シーギリヤレディに行くらせん階段もそうなのですが、幅がせまいのと、下が透けて見えるので、高所恐怖症の人にはジゴクだそうです。
でも、後もうちょっとです。
スリランカの王さまがつくった宮殿〝跡〟
ようやく頂上にたどりつきました!
気持ちよいほどの絶景です。
登りはじめて40分〜1時間くらいでしょうか。
混みぐあいでずいぶん違いますが、だいたいそのくらいです。
で、まずは絶景を堪能。
まっすぐ伸びてるのが、参道。
こうして見ると広さがわかります。
景色を楽しんだら、降りるんですがその前に。
ここ、5世紀後半のスリランカの王さまが建てた王宮の跡。
ちょっと歴史を振りかえります。
シーギリヤロックに伝わる歴史
5世紀後半、スリランカにはカーシャパ王という人がいました。
でこの人、父王が身分の低い母親に生ませた、いわゆる庶子。
だから、正妻の息子である弟が、王位継承者だったわけです。
で、王位は継げない…
それだけでなく、嫡子である弟に王位を継がせるために殺されるかも…
という危機感をもっていたといわれてます。
そこで、自分が殺される前に父親を殺して、王位に就いちゃったという王さまです。
ま、王さまになったものの、弟の復讐が怖いわけです。
そこでこのシーギリヤの岩山に王宮をつくり、都を遷したという。
なんでも7年の歳月をかけて、当時の土木・建築技術の粋を集めてつくり上げた王宮らしいです。
でも結局は、弟の攻撃を受け、遷都からわずか11年で自害して、カーシャパ王は死んじゃいます。
一説には、父親を殺したという罪の意識と弟の復讐への恐怖から、晩年は精神的にイっちゃってたともいわれてます。
シーギリヤロック登頂前に行っておきたいところ
そこでおすすめなのが、ふもとの博物館なのよ
考古学者でもないと、正直、遺跡を楽しむにはかなりの想像力と妄想力を必要とします。
日本のJICAによって建てられたこの博物館では、当時の王宮を再現したCGを見ることができるので、それを見てから登ると、かつての王宮をイメージしやすい。
そしてこのCGのデキが、素晴らしい。
しかも無料、というかシーギリヤの入場券を買うと無料で入れます。
10分で見れるので、CGだけ見るのでOKなので立ち寄ってください。
シーギリヤロックの登り方ポイント
高さ200mの岩山なので重装備は必要ないですが、これだけはっていうポイントをお伝えします。
ベストシーズンは?
年間通じてシーギリヤロック登頂はOKですが、まず、スズメバチは避けたいので夏はやめたいところ。
シーギリヤエリアは比較的雨が少ないですが、雨だと階段が滑ったりと怖いので、雨季は避けたい。
なので乾季の5〜9月で、夏をパスした5〜6月と9月がおすすめ。
3〜4月にかけてもお天気は大丈夫そうです。
服装・持ちものは?
服装はなんでもOKですが、靴は〝滑らない〟ソールのものを。
シーギリヤロックの階段は、鉄・木・土をさまざまな材質でつくられているので、どんな場所でもグリップしてくれるソールの靴がだいじです。
で、サンダルでも登れますが、ミュール、スリッパタイプは脱げやすいのでやめましょう。
ヒールはまぁあまり高くないほうが疲れないので、フラットシューズがよいかと。
必需品はミネラルウォーターです。
夏でなくとも、基本スリランカは暑いので、これ必携です。
何時くらいに登るといいの?
ふつう暑くなる前、混雑する前の早朝に行くのがよいとされてます。
シーギリヤロックは7時から入れるので、朝いちばんに行けるならそれがベスト。
でも、博物館を先に見たいと思ったり、朝いちばんは無理というときは、あえての夕方に出かけるのがおすすめです。
午後4時すぎくらいの、暮れなずむ光の美しい時間に山頂にいるとなかなかステキです。
王さまになった気分が少し味わえると思います。
夕方になると、多くの観光客がホテルを目指しているので、だいぶ静かにもなっているので。
所要時間は3時間前後
階段を登るスピードでだいぶ個人差が出ます。
でもまぁゆっくり登って、シーギリヤレディを堪能したり、頂上からの景色を眺めて…
3時間あれば大丈夫かと。
体力とノンビリしたい度合いで決めてください。
まとめ
- シーギリヤロックは、スリランカの中央ちょっと上あたりにあります
- 長い参道を抜けて、名物1000段階段を登っていきます
- 5世紀後半に描かれた、色鮮やかな「シーギリヤレディ」を鑑賞
- 「ミラーウォール(鏡の回廊)」が切れると、だんだん高い雰囲気が…
- 「ライオンテラス」で、大きなライオンのつま先を見ながら休憩
- 怖いわ、絶景だわの階段を登って頂上へ
- 頂上では、ここに王宮をつくった王さま気分を味わう
- できれば、登頂前に博物館に行っておきたい
- 滑らない靴を履き、水を持って出かけよう
- 訪れるのにベストなのは、夏を抜かした乾季の早朝か夕方
ワタシ自身は高所へいちゃら人間なので、ちょっと高所恐怖症の人を意識し過ぎて書いてしまい、アオリ気味の記事になってしまったかもしれません。
反省。
1000段の階段は、もちろん楽ではないですが、ふつうに行けばそんなに怖い階段ではありません!
かなりのご高齢の方でも登っておられるので、安心してお出かけください。
Sigiriya Rock(シーギリヤロック)
7時〜17時半(チケット売り場は17時まで)
料金:30USドルまたは3,900ルピー
Sigiriya Museum(シギリヤ博物館)
8:30〜17:30
US$10(シギリヤロックの入場券があれば無料)
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