スペイン、コルドバの「メスキータ」といえば、赤と白のアーチ…
列柱の森とも呼ばれる威容が有名です。
で、ココなんか、スゴい。
沈黙の圧とでもいうか…
約1500年もの歴史が伝える重みを感じます。
コルドバ観光の見どころは、この「メスキータ」に凝縮されてるといっても過言じゃありません。
コルドバいやアンダルシア…
アラブのスペイン支配の歴史が、「メスキータ」には刻まれてるんです。
一見の価値、大いにアリ。
しかも、朝イチに行けば無料。
で、せっかく行くなら「メスキータ」の〝歴史〟をツマんでおきましょう。
そのほうが、行ってから断然! 楽しいので。
(コルドバやアンダルシアの歴史についてはコチラ→【5分でわかる】スペイン、アンダルシアの歴史。旅行に行くなら知っとこ!)
では「メスキータ」の楽しみ方をご紹介します!
目次
行く前に知っておきたいお得情報と見どころ
メスキータは、朝イチなら入場無料
まずメスキータに行く時間ですが、月〜土曜の朝8時半に行けばタダで入れます。
で、無料というだけでなく、見学客が少ないので、静かに堪能できるというのが最大のポイント。
この時間にはグループでの見学はできないので、さらに好条件です。
宗教施設ですし、なによりも連綿とつづいてきた歴史を感じたいですから。
静寂、だいじ。
入場の際、注意したいのが「ディアネス門(見取り図2番)」から入ること。
メスキータに入る門は3つありますが、建物内部に通じる「シュロの門(栄光の門=上図6番)」に近い「ディアネス門」が、最初に開きます。
無料入場は9時半までなので、数分でもムダにしたくないので。
*上の見取り図はメスキータでもらえます。解説もコンパクトで参考になるので、ぜひもらいましょう
とにかく奥へ。絶品の「ミフラーブ」をまず観る
シュロの門から入ったら、真っ直ぐ。
とにかくいちばん奥を目指します。
赤と白の二重のアーチ、列柱の森も気になりますが、まずは「ミフラーブ」です。
「ミフラーブ」とは、メッカの方角を示す壁の〝くぼみ〟のことで、モスクでもっとも重要な場所です。(ちなみに「メスキータ」とは「モスク」という意味)
メスキータの「ミフラーブ」は小部屋になっています。
その入り口が、素晴らしい。
ミフラーブはイスラム世界でも有数の大変重要なもので、イスラム寺院で最も崇高なものとなっています。 その装飾にはビザンチン様式のモザイクと大理石の彫刻が施されています。
ースペイン政府観光局のサイト→メスキータについて
ま、見事です。
この「ミフラーブ」がつくられた頃のコルドバは、世界有数、ヨーロッパでは最大の街だったので、その権勢が伝わる豪華さ!
ガラスを使ったモザイクなので、それはもうキラキラしてます。
メスキータの天井を見上げておくのを忘れずに
ミフラーブの前のスペース。
「マスクーラ」と呼ばれる特別に仕切られたVIP席です。
ここの天井がまた、スゴい。
ゴールドと青で描かれた文様がびっちり。
窓からの光でバッチリ見えるようくふうもされてます。
これでもかイスラムになってるので、見上げるのをお忘れなく。
850本の柱の森は、寄って引いて眺めよう
さて、いよいよメスキータのシンボル、柱の森を堪能します。
メスキータが建てられた頃は、まだ大きな天井を支える仕組みがなかったので、1000本もの柱で支えたことから、この森が生まれました。
そう。
最初は、柱、1000本ありましたが、後にキリスト教会をメスキータ内部につくるために、150本の柱が取り払われました。
メスキータの歴史については後にして、まずは柱の森を眺めましょう。
柱の森は「礼拝の間」。
信者たちが、メッカに向かって祈りを捧げてた空間です。
この柱の森、かつては庭にもその雰囲気を継続させるべく、ヤシの木が等間隔で植えられてたといいます。
実際、当時は庭にも礼拝する人たちがあふれてたとのこと。
いまは閉じられていますが、庭に向けて開かれたつくりでした。
だから、もっと内部も明るかったんじゃないでしょか。
で、この柱。
ローマ時代の神殿やキリスト教の教会から転用したものです。
だから、柱頭とか見ると、ローマ神殿をほうふつさせます。
いくつもの建物からの寄せ集めなので、長さがバラバラ。
切りそろえると、長さが足りない。
そこでメスキータのアーチを2重にして、柱の短さをカバーしたそうです。
2重アーチだから特徴的で優雅。
災い転じて福です…
と、かくゆうしだいで、柱の森の広さを感じるのに引いて眺めたり、ローマ時代からつづく歴史を感じるのに近寄ってみたり…してください。
中央にすっこーんとつくられたカテドラル
メスキータのアラブな部分を堪能したら、中央部にあるキリスト教会部分に移動。
こちらもゴシック、ルネサンス、バロックの3様式が結合した壮麗な空間です。
でも…
どこに行っても見られないものを破壊して、どこに行っても見られるものをつくった。
ー「メスキータ」の改築を許可したカルロス1世
と、嘆いたように、アラブなメスキータ部分のほうが、圧倒的にインパクトがあります。
教会部分も…精緻でゴージャスなつくりですが、見慣れた感が強いので。
(「カルロス1世」は〝日の沈まない〟スペイン大帝国を築いた王さま。神聖ローマ皇帝カール5世と同一人物)
バロックの聖職者席と説教壇は要チェック
とはいえ、バロック様式の聖職者席はみごと。
18世紀半ばの作品です。
合わせて、両脇にある説教壇も、大理石と碧玉がマホガニーとマッチしてて、これまたマーベラス。
見ておくべき。
そして、ここでも天井を見上げると、モスク部分の天井との対比ができて面白い。
光の取り入れ方の違いが楽しめます。
ほか、外に出て鐘楼(モスク時代のミナレット)や中庭、回廊をチラ見して終了。
時間があったら、天井の対比だけじゃなく、モスク部分とカテドラル部分の際に立って、そのツギハギっぷりを見る感じ。
期せずして競演してますけど、ふたつのアーチの違いや〝モスクなのにステンドグラスこれいかに〟が面白いので、チェックしてください。
メスキータの歴史はコルドバの歴史
歴史です。
メスキータは、元々サン・ビセンテ教会だった場所に、785年、建てられます。
そして4人のカリフ(王さま)によって、4段階に拡張されました。
メスキータの公式サイトがとても分かりやすく解説しています↓
6世紀からの建物拡張の歴史 ーメスキータ公式サイトより・Google翻訳
1236年に、コルドバでのレコンキスタ(国土回復運動)がなされ、やはり3段階を経て、現在見られる姿へと教会部分もリノベートされました。
イスラム教とキリスト教が融合した建物という人もいますが、2つの宗教が融合したわけじゃありません。
感心するのは、ソコじゃなく…
キリスト教国のスペインが、ようやくアラブから奪還したコルドバで、アラブの象徴であるメスキータをよく破壊しなかったよねというトコです。
グラナダの「アルハンブラ宮殿」もそうですが、壊されることなく残ってます。
〝坊主憎けりゃ袈裟まで憎い〟ってならなかったのは、文化の成熟度ってこと?
そんなことを考えながら見るメスキータ、格別な思いがします。
アクセスや入場料などの基本インフォ
Mezquita | メスキータ |
所要時間 | 2時間〜(さっと見るなら1時間。でも2時間はかけたい) |
開館時間 | モスク&礼拝堂: 11月〜2月 月〜土10〜18時・日8時30分〜11時30分&15時〜18時 3月〜10月 月〜土10時〜19時・日8時30分〜11時30分&15時〜19時鐘楼:9時30分〜14時30分/30分おき ナイトツアー:21時〜 |
入場料 | モスク&礼拝堂/11ユーロ(約1,600円)・鐘楼/2ユーロ(約300円)・ナイトツアー/18ユーロ(約2,600円) |
住所 | Calle Cardenal Herrero, 1, Córdoba |
URL | メスキータ公式サイト(英語アリ) |
服装などの注意事項 | ・肌の露出の多い服装は避ける/帽子は脱ぐ ・大きなバッグは持ち込み不可 ・三脚不可 |
開館時間前が無料入場
上の表には、無料で入場できる時間が書いてありませんが、月〜土曜の8時半〜9時半までが、無料で入場できる時間です。
また、今回は詳しくご紹介していませんが、ナイトツアーも幻想的でなかなかおすすめ。
朝晩2回のメスキータを楽しめば、もう完璧です!
チケットの予約
メスキータのサイトで、ナイトツアーのチケットは予約ができます。
それ以外は、現地メスキータのチケット売り場で購入します。
ただそれ以外の入場に関しても、サイトで日程を入れると特別な行事があって入れない場合などを教えてくれます。
予定が見えてきたところで、1度チェックを。
→メスキータのチケットと開館時間について *行事などで入館が限られる場合など、サイトの冒頭に英語で案内が出ますが、チェックを入れると中に入れます
見学所要時間の目安
朝の無料時間枠である1時間なら、要所を抑えて見る必要があります。
さほど広いわけではないですが、それでも空気感を味わいたいと考えるなら2度めの入場もアリ。
スペインの世界遺産、メスキータの行き方
コルドバの駅やバスターミナルからだと、歩いて30分ほどかかります。
タクシーで10分弱・5〜8ユーロ(800〜1,000円)
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2 件のコメント
貴方のブログのお陰で、お得で充実したメスキータ見学をする事が出来、効率よく回れたので、コルドバの街ものんびり楽しめました。本当に有難うございました。
Paula M Tajiri 様
嬉しいコメントありがとうございます!
メスキータは知れば知るほど面白い遺産ですよね。楽しんでいただけて何よりです。