ペニンシュラ、マンダリン、シャングリ・ラ…なみいる超高級ホテルを抑えて…香港でもっとも高い評価を受けているホテルが「The Upper House アッパーハウス」です。
高層ビルの上層階にあるこのホテルは、タクシードライバーすら知らないことも多い隠れ家ホテル。
で一見、恐ろしいほど素っ気ないシンプルさです。
ある意味インスタ映えしないその見栄えは、はっきりいってホテル上級者向き。
ツヤツヤに磨きこまれた大理石のインパクトはありません。
きらびやかなシャンデリア輝く、ザ・ゴージャスな雰囲気とは無縁です。
これみよがしな超スタイリッシュとも、まるで違います。
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でも、その秘めやかな雰囲気こそが「アッパーハウス」最大の魅力。
エネルギーが満ち満ちた香港だからこそ、温もりありつつのクールで静かな「アッパーハウス」のよさが際立つのでありました。
一切の〝けれんみ〟なし。
*けれんみ=はったりやごまかし
旅慣れた人。
上質なホテルライフを愛する人に。
「アッパーハウス」の静かな魅力をお伝えします。
目次
香港、金鐘(アドミラリティ)の隠れ家ホテル
「アッパーハウス」は、香港島の金鐘(アドミラリティ)にある49階建のJWマリオットのビル、38~49階になります。
でもJWマリオットと入口は別。
違うホテルですからね。
で、長いエスカレーターで6階へ。
エレベーターに乗りかえ、38階以上にある客室まで一気です。
チェックインはお部屋で、のシステム。
とにかく地上の俗世間からさっさと離れます。
上質なここちよさ追求のアッパーハウスの部屋
一言でいってシンプルモダン。
これみよがしなところがまるでありません。
「アッパーハウス」の建築家アンドレ・フー氏いわく
温かみのある、フレンドリーでぎょうぎょうしくない、プライベートな空間をつくり出すよう設計しました。
住まいのように落ち着きのある雰囲気は、どんな贅を極めたホテルよりも、はるかに多くの瞬間をお楽しみいただけると思います。
抑制のきいた色遣いとデザイン。
くつろげるよう、あえての低い天井…
はっきりいって、インスタ映えはしません。
だって自宅のような部屋ですから…もちろん、ウチの部屋より何倍も格上ですが…
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さて、ペーパーレスでのチェックインを済ませたら、客室の探索です。
ワタシが宿泊したのは「スタジオ80」。
78平方mの十分過ぎるサイズです。
下の間取り図を見ると、バスルームやウォークインクローゼットの広いのが分かります。
香港ならではの醍醐味かな?このお風呂
なんといっても〝あんぐり〟なのは、バスルーム。
2面に採られた窓からの景色が…
ワタシは山側の部屋だったので、バスルームも近隣のビルとはさほど迫ってはいませんでしたが。
これ、部屋によっては、バスタブに浸かりながらお隣のビルの人とコンニチワはありえます。
「マダム、窓を閉めてからバスタブへどうぞ。
浸かってからボタンを押して窓を開けていただければ、景色が楽しめます」
なるほどね。
心配ご無用でした。
洗面所もすっきりしてますが、こころ尽くしに驚いたのがアメニティキット。
英国RENのプロダクトがポーチにさまざま入ってるだけでなく、なんと持ち帰りを考えてのジプロックまで入ってます。
少量とはいえ液体。
機内持ち込みには、ジプロック必要です。
香港至れり尽くせりのアーパーハウスのひきだし
ウォークインクローゼットにもいろいろ置いてあります。
いちばんは、シューキーパー!
男女用そろって、しかも木製です。
靴好きとしては、これは高得点。
ヨガマットもあるので、広いリビングでストレッチもできちゃうという案配です。
朝の無料ヨガ教室も、6階のテラスThe Lawnでやってます。
ミニバーを開けると、そこには小さな喜びが
ミニバーは両扉を開けると出現。
左下はミニ冷蔵庫というより家庭用ワインセラーですね、これは。
タグのついていないものは、すべて無料。
タグがついてるのは、ワインとシャンパンです。
ま、当然。
でも、ビールとか飲み放題なわけです。
ココナッツウォーターやミルクも無料。
なんかちょっと嬉しいじゃないですか。
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で、上に置いてある黒い箱を開けると!
おほほ、無料のお菓子・スナック。
ワタシふだんスナックとか食べないんですけど。
ポリポリしちゃいますねぇ。
食い意地が張ってるともいいます…
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で、この扉内にはシンクもあって、水が使える。
清潔好きにはたまらん配慮かと。
コーヒーマシーンはilly。
デスクには文具一式そろってます
備えつけのデスクには、差し込みやすいよう上奥位置に蓋で隠した電源があります。
引き出し真ん中の段にiPod。
部屋の設備は、このiPodですべてコントロールできます。
下の段には文房具がワンセット。
仕事でなくとも、ちょっとメモをノートに貼ったりナドナド、あると便利なアイテムがそろってます。
そのほか引き出しにはケーブル類も用意。
部屋はWiFiが使えますが回線速度やや遅めなのでの用意?
セキュリティを気にする人向け?
ちょっと分かりませんが、万全のアピールでしょうか。
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で、そのときどきで仕様が違うようなのですが、机の上のトートバッグはお持ち帰り自由。
上質な黒革で、四辺がファスナー開きで大きさの調節ができるというすぐれもの。
このバッグなら日本に帰ってからふつうに使えるので、これはかなり嬉しい。
香港ビギナーや弾丸旅行者には向かない
残念ながら今回は1泊の滞在。
で、1泊だからこそ感じたことは、たしかに「アッパーハウス」は客室の居心地最高です…
でも、香港に初めて来る人やホテルでの滞在を楽しむ時間の少ない人には向かないかもとも思いました。
ワサワサとした香港の喧騒からちょっとホッとしたい人。
ホテルライフを楽しみたい人にこそ向いている「アッパーハウス」です。
最低でも2泊、できれば3泊はしたいホテルともいえます。
こころ配りのアートも実は随所にある
建築家アンドレ・フーの整然とした世界に、より豊かさをくわえているのがあちらこちらに飾られたアートです。
で、アートもじつに物静か。
だからいろいろ飾ってあってもウルサクない。
エレベーターの中にも飾ってあるほどですが。
イタリアを本拠地にしている台湾の彫刻家シンシア・サの作品が多いもよう。
使われてる素材はさまざまながら、雰囲気が統一されているので、全部シンシアの作品かもしれません。
バタバタしてると見落としがちだけど、この設計にこのアートありというマッチングが楽しめると、「アッパーハウス」での時間もより充実するかと思われます。
ダイニングに行くだけでもアリなアッパーハウス
49階にある「アッパーハウス」のダイニング「カフェ・グレイ デラックス」は、レストランとしてだけでも有名。
NYのスターシェフの料理も評判なら、街とビクトリア湾の眺望が堪能できる場所としても知られてます。
モダンなヨーロッパ料理、旬でオーガニックな食材が楽しめるというのは、いまや特徴ではないですが…じつに手慣れたおいしさ。
どこどこ産のサーモンだのなんだの列挙するだけでもブランディですが…
このクラスのレストランになると…香港でそれは、すでに売りではないので。
むしろ、パンのおいしさだったり、添えられたオリーブオイルや塩の味をホメるほうが、シェフのこころ配りが伝わります。
そうはいいつつも、フォワグラだったり仔牛の頬肉とアーティチョークの一皿だったりと…
食いしんぼうにはこたえられないメニューが並んで入るわけです。
アッパーハウスの朝食はたまらん
併設されたバーの夜景もみごとで、こちらはインスタ映えします。
が、なにより素晴らしかったのは、じつは朝食。
この充実した朝食食べるだけで、かなりテンションが上がります。
ま…5,000円くらいするので、お財布には厳しい朝食ではありますが。
「アッパーハウス」に泊まるからにゃ、この朝食を食べずしてというものではあります。
アッパーハウス のまとめ
「アッパーハウス」が宿泊客を選んでるわけではないですが…
このホテルを存分に楽しむには、旅程や経験値とかが大きく関係してきます。
でも、ホテルライフ大好きな人にはタマランところであるのは間違いないです。
2 件のコメント
はじめまして。
香港のホテルについて調べており、たどりつきました。
とても参考になる記事でした。ありがとうございます。
ところで、the upper house 香港に宿泊すると、お部屋にトートバッグがあって、いただけるのですか?
Studio70に泊まってみようかと検討中ですが、studio80でないといただけないのかしらと思案中です(笑)。
よるさん
コメントがなぜかスパム扱いになってしまっており、大変遅くなり失礼いたしました!
アッパーハウスのトートバッグはかなり上質な革で作られているので、日本に帰ってきてからも重宝しています。
お部屋によって入手できるのかどうかは、ごめんなさい、ちょっと分かりませんが…
Studio70 にも置かれているのではと思います。