もうずいぶん時間が経ってしまったのですが…
備忘録をかねて、ワールド航空サービス東京支社さまで「プラハ」についてのお話しをさせていただいたことを報告します。
2年つづけて呼んでいただきましたが、いずれも午後2時からの開催。
お昼寝タイムに最適な時間帯なので試練ではありましたが、なんとか「プラハ」の美しさや楽しさを知っていただきたいと、写真を多めに用意して臨みました。
集まってくださったのは、30名ほど。
女性のほうが少し多かったですが、年齢はさまざまな方々でした。
目次
プラハが観光客に人気の理由
プラハを訪れる観光客はこの10年ずっと上昇をつづけており、2017年には1,660万人の外国人がこの街を訪れています(プラハ市観光局)。
東京を訪れる外国人旅行者の数が、同じ2017年で1,377万人(東京都産業労働局)ですから、都市のスケールを考えるとたいへんな数といえます。もちろん近隣のヨーロッパ諸国からの旅行者が多いとはいえ、プラハの街にそれだけの魅力があるからこその訪問者数です。
プラハの街並みはやさしいパステルカラー
プラハ最大の魅力は、なんといっても街並みがロマンティックなことです。
私が最初にプラハを訪れたのは1993年ですが、それはもう薄暗い街でした。ベルリンの壁が崩落したのち、チェコとスロバキアが分離独立した年のことです。
インターナショナルブランドのホテルは「インターコンチネンタル」くらいしかありません。
まだ〝サービス〟の概念が育っていない状態でしたので、感じの悪さはマックスでした。それが…四半世紀で、都市がこれほど美しくなるものかというほどエレガントに変身していました。もちろん、あらゆるサービスも。
と、そんな話をしていて驚いたのは、やはり24、5年前にプラハに行かれたことのある人が出席されていたことです。初めて訪れる国も楽しいものですが、かつて訪れた国を再訪する喜びもまた旅人の特権。私も思わずさらに熱をこめてお話してしまいました。
プラハの街にはゴミがない!
そして、このロマンティックなプラハの街並みを支えているのが、ゴミひとつ落ちていない清潔さです。それはもう、あっぱれなほどのきれいさ。
じつはこれ、プラハ市長の機知ゆえなのですが…〝ゴミが落ちていなければ、観光客もゴミを捨てない〟という発想のもと、プラハでは徹底的なクリーン作戦が展開されているのです。プラハで清掃車を見かける確率は他の都市よりはるかに多く、そして確かにポイ捨てする観光客はほとんどいない印象をもちました。
観光客によるゴミ捨て、観光公害に悩む観光地にとってのひとつの指針かもしれません。
プラハの人のウィット
市長のクリーン作戦はお見事なのですが、じつはこうした機知頓知はプラハ、チェコの国民性でもあります。
半世紀ほど前。検閲の廃止や芸術表現の自由を求めて推し進められた「プラハの春」という改革がありました。その運動を警戒した旧ソ連軍が、当時のチェコスロバキア領内に侵攻し、100人以上もの死者を出した歴史的事件です。
楽しい旅行のお話の会ですが、プラハを語る上でこの事件を避けることはできません。もちろんみなさん、神妙に聞いてくださいましたが…プラハの人々の対抗策をお話しすると、笑いも出て、ホッとしました
当時、プラハ市内をいく旧ソ連軍の戦車の写真が、世界中に配信されました。では、この戦車の脅威に対して、プラハの人たちはどう対抗したか?
そのレジスタンスは、夜半、道路標識の向きを逆にあるいは90度別の方向へと変えることでした。中世の街並みを残すプラハは、ヨーロッパの古都の中でもとりわけ複雑に道が入り組んでいます。小回りのきかない戦車が、間違った道路標識によって右往左往したであろうことは想像にかたくありません。
この戦車の話を教えてくれた人が〝チェコ人は臆病ではありますが、何もしなかったわけではありません〟と、ちょっと恥ずかしそうにしていたのが印象的でした。
〝誇り高き戦士〟とか〝勇猛果敢なレジスタンス〟ではないチェコスタイル。でも、憎めない。じつに〝人間くさい〟国民性ではないでしょうか?
ヨーロッパを旅行するときはとくに、ある程度の歴史を知って出かけるほうが楽しいのはいうまでもないことですが…こうしたエピソードはその土地の色を教えてくれます。
もうひとつの「プラハの春」
そして「プラハの春」といえば、国際音楽祭のほうが有名です。集まってくださった方々も、この音楽祭の鑑賞が組み込まれたツアーに参加される予定。
当然、クラシック音楽ファンの方が多いので、オープニングの会場となる「市民会館スメタナホール」のスライドはお気に召されたようです。この「市民会館」はアール・ヌーヴォー建築でも知られていますが、アルフォンス・ミュシャ(チェコ語ではムハ)が内装を手がけた市長ホールなど、見所がたくさんあります。
街中に音楽があふれている
プラハはこの音楽祭が開催されているとき以外も、音楽のあふれている街です。音楽の都ウィーンよりも観光客に伝わる形でメロディが流れているといえるかと思います。
ウィーンほどは垢抜けていないからこその温かみも魅力。そこら中でスメタナの「我が祖国」のサビメロディが流れている感じです。
プラハの街は迷ってこその魅力
プラハの街の美しさや音楽あふれる豊かさをお伝えしたところで、実際行かれたときの楽しみ方をお伝えしてお話をしめくくりました。
旧ソ連軍の戦車ではありませんが〝どうぞ地図を見ずに気の向くままに、街を散策してください〟というのが、私からのおすすめです。プラハの空気感をぞんぶんに味わっていただくには、かつてモーツァルトやカフカが歩いたであろう道をさまよってください。
それほどプラハは、中世の面影、19世紀末の香り漂う街ですから。
なかにはホテルのロビーを突っ切っていく道なき道もあるという街。不思議な光景に出会えるかもしれません。
まとめ
所要時間1時間超でしたが、用意させていただいた写真は65枚です。40枚でも多いくらいですが、スライドは早送りすることもできるので多めに選びました。
なによりもキレイな街なので、ご紹介するものがたくさんあります。そしてまた、なんとしてもお昼寝なさらぬようにという思いもありまして…
図々しくこちらから質問もさせていただきました。予想以上にプラハ再訪の方が多かったのは、やはり街の魅力ゆえ。年に何度も海外旅行に行かれる方もいらして、さすが旅行社さまの催される会でした。
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