ラベンナへ。3度めのイタリア観光で、圧巻のモザイク画にシビれる

モザイク画
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海外旅行好きでイタリアLOVEの人は多いですが、何度か訪れてると、イタリア第3第4の観光地に足を伸ばしたくなります。

もちろんローマも、フィレンツェも、ヴェネツィアも…

どの街も、何度訪れても魅力的ですが、かつての小さな都市国家が集まったイタリアは、あちこち見所満載。

なんせ、世界遺産登録数ナンバー1のこの国には、世界遺産だけで53件もありますからネ!

ワタシA
それに、あまりみんなが行ったことのないイタリアにも、行ってみたいし

 

北イタリアの東、アドリア海に面した小さな街ラベンナは、そんなイタリア通の思いをかなえてくれる観光地。

古代から中世にかけて栄えたこのイタリアの古都には、驚くほど精巧なモザイク画を遺した世界遺産「初期キリスト教建築物群」があります。

1500年も経っているのに、そのモザイクの鮮やかで豊かな表現といったら、素晴らしいのひと言です。

「ほおーっ」という感嘆詞が口から出ること、請け合います。

その上、恐妻家の皇帝とか、ダンサーから王妃に登りつめたサクセスストーリーなど、面白エピソードが遺る街でもあるんです。

 

もう、行くっきゃありません!

 

じゃ早速、その「ほおーっ」とする、みごとなモザイクを見に行きましょう。

ラベンナ1の観光名所、サン・ヴィターレ聖堂

サン・ヴィターレ聖堂

この街、いまではすっかり田舎の観光名所みたいになってますが、その昔は西ローマ帝国やビザンティン帝国(東ローマ帝国)西側の首都だったという街。

栄耀栄華を極めた、華やかな街でした。

 

で、モザイク画の遺る教会が、たくさんあります。

なかでも、ラベンナに来た観光客のほぼ100%が訪れるのが「サン・ヴィターレ聖堂」

6世紀前半にできた由緒ある教会です。

 

八角形のシンプルな外観のバジリカ(聖堂)。

中に入ると、ズコーンと高い天井、きらびやかに輝くモザイク装飾に、圧倒されます。

サン・ヴィターレ聖堂

この聖堂は、4世紀に発見された聖人の遺骨を収めるためにつくられたもの。

ビザンティン帝国の黄金期に建てられただけあって、精緻この上ない技術と、気の遠くなるような作業で埋めつくされた、モザイク画を見ることができます。

とにかく、スゴい!

圧巻…

ただ、ずっと見上げる感じで、モザイク画を鑑賞するので、ちょっと首痛くなりますけど…

そして、よりディテールを見たいという人は、ビノキュラー(双眼鏡)を持っていくとよいです。

 

要チェックの、ヒゲのないキリスト像

モザイク画

なんといっても迫力なのが、祭壇が置かれてる内陣です。

黄金をふんだんに使っているので華やかで、窓からの光を受けてキラキラ輝いてます。

この空間に立つと、ちょっと崇高なこころもちにすらなるという…

 

宗教の演出って、ほんとウマい!

こころ、揺さぶってきますからね。

 

上の写真は、センターにキリスト、両脇に天使、聖堂ゆかりの聖人と聖堂を建てた有名な司教が描かれてます。

キリストは世界をあらわす球体に座ってますけど、どこかサッパリとした面持ち。

 

アレ、ヒゲがない!

ヒゲのないキリスト

 

この〝ヒゲなしのキリスト〟は、昔(3世紀くらい)から描かれていて、若さの象徴と知恵の象徴だとか。

人間の形となって地上に現れる前のキリストの姿だ、とかいわれてたらしいです。

 

6世紀後半くらいから、東ローマ帝国では〝ヒゲありのキリスト〟を描くのが主流になり、西欧でもだんだん〝ヒゲありのキリスト〟が定着したしだい。

それでも中世、13世紀ころまでは、〝ヒゲなしのキリスト〟もたくさん描かれていたんですって。

 

ま、ちょっと新鮮なんで〝ヒゲなしのキリスト〟を、忘れずにチェックです。

 

モザイク画の最高傑作2点は、皇帝と皇后の絵です

モザイク画

キリストのモザイク画に向かって左にあるのが、ユスティニアヌス帝と廷臣たちのモザイク

ユスティニアヌス帝は、聖堂が建てられた当時の東ローマ帝国の皇帝。

イスタンブールにある有名なハギア=ソフィア聖堂を建てた人でもあります。

かつてのローマ帝国を回復した〝大帝〟とかいわれてるんですが、じつはこの皇帝、恐妻家としても有名。

なんでも、暴動を起こした群衆におそれをなして、首都を捨てて逃亡しようとするのを、皇后に叱られて、思いとどまったナンテ話があります。

モザイク画

で、皇帝のモザイク画の反対側、対になっているのが、皇帝を叱咤激励した皇后テオドラと従者たち

この皇后は、熊使いの父とダンサーの母から生まれた、やはりダンサー出身の女性です。

けっこう切れ者だったみたいで、反乱に尻込みする皇帝のお尻をたたいただけでなく、国政にも積極的に口をはさんでいたもよう。

でも、そんな皇后のおかげで、強制売春の禁止や娼館の閉鎖などの法律が成立したといわれてます。

社会的弱者の女性の保護や権利の拡大にも尽力したとか。

 

いわゆる女傑っていうタイプですね。

 

とまあ、描かれた人物像もさることながら、この2作品のモザイクはとくに素晴らしい。

光を受けて輝きを増すゴールドの使い方とかが、スゴく効果的。

この素晴らしさは、ラベンナ行って、自分の眼でたしかめて見なくちゃです。

 

モザイク画でも知っておきたい、聖書のエピソード

モザイク画

この聖堂に限らず、西洋美術を楽しむためには、聖書の物語の知識が欠かせません

でも、あのぶ厚い聖書をまるごと覚える必要はまったくなくて、よく取り上げられるテーマだけ覚えておけばOK。

これ、日本の『源氏物語』にもいえることなんですが…

 

で、ご多分にもれず、この聖堂にも超有名な旧約聖書の物語が描かれてます。

 

上の写真は「アブラハムの饗応」と「イサクの燔祭(はんさい)」

画面中央と左。

信仰心の厚いアブラハムが、3人の旅人をもてなしているの図です。

 

じつはこの旅人たち、頭に光輪が描かれてるので天使だったりするんですが、アブラハムはそんなこととはツユ知らず、とにかく親切心でパンと肉をごちそうします。

 

アブラハム、イイ人。

 

そして、画面右が「イサクの燔祭」。

燔祭とはいけにえの動物を焼いて、神に捧げる儀式のこと。

モザイク画

で、台に座っているのがイサクで、つまりこれから焼かれるの図です。

 

このイサク、アブラハムが年老いてからようやく授かった息子なんですが…

捧げものの子羊がないアブラハムに、神がいうわけです。

 

「イサクをいけにえとして捧げなさい」って…、ごむたいな。

 

ま、最後は、アブラハムがイサクに刃物を振り上げると、神の使いが現れて止めてくれるという結末にはなるんですけど。

 

で、このエピソードは、よく絵画に取り上げられていて、有名画家のカラヴァッジョ(ウフィツィ美術館)やレンブラント(エルミタージュ美術館)も描いてます。

だから、覚えておいて損のないエピソードです。

 

聖堂内部にあるモザイク部分は、全体の一部ですが、見どころ山盛りなので、ちょっと予習してから行くと、観光はより、楽しい!

 

Basilica di San Vitale Via Giuliano(サン・ヴィターレ聖堂)

Argentario 22, Ravenna
開館時間/9時〜17時30分(4月〜9月は〜19時)
休み/12月25日
入場料/9.50ユーロ(約1,260円・ガッラ・プラチディアなどとの共通券)

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イタリア人強力推薦のガッラ・プラチディア廟

ガッラ・プラチディア廟

次に訪れたのが「ガッラ・プラチディア廟」

この霊廟は「サン・ヴィターレ聖堂」と同じ敷地内にあるので、行きやすい。

 

時間のない観光ツアーだと霊廟をスキップすることもあるようですが、それはダメ。

 

霊廟のほうが小さくて〝付属〟のイメージがちょっとしますが、ジモティたちのおすすめモザイクNo.1は、こちらです。

地元ラベンナのタクシー運転手、ホテルのレセプション、薬局の店員…ジモティたちは、ここガッラ・プラチディア霊廟が大好き。

街にはいくつもモザイク・スポットがあるのだけれど、この最古のモザイクが最高なんだそうです。

モザイク画

こぢんまりとした空間を、深いネイビーブルーのモザイクがみっちり埋めつくしてます。

なんかプライベートなプラネタリウムみたいな感じ。

 

上の写真は、霊廟の正面上部に描かれた「火あぶりの刑で殉教した聖ロレンツォ」

鉄格子の上で火あぶりにされた聖人ですが…

刑の執行後、少し経過したところで「こちら側は焼けたから、ひっくり返したほうがいい」といったとか!

なんとも剛毅なエピソードの聖人です。

 

で、この霊廟の名前になっているガッラ・プラチディアって誰なのよ? 

 

この人、ローマ皇帝の娘で、3度結婚して、最後は皇帝の母となった女性。

 

霊廟というくらいなので、ここに埋葬されたのかというと、そのあたりは定かじゃありません。

廟の中には、3つの石棺がありますが、これは彼女の親族のものらしい。

じつのところは、あまり研究が進んでいないようで、ワカランということです。

 

なんとおおらか、イタリアン!

 

モザイクもきれいだが、窓も美しい

ガッラ・プラチディナ廟

このギリシャ式の正十字の形をした小さな霊廟では、圧倒的なモザイクのパワーに気圧されます。

でも、じつはアラバスター(雪花石膏)のはめられた窓からの光が、これまた美しい。

次々と観光客が出入りするので、見逃しがちですけど、この窓の美しさを見てくるのもお忘れなきよう。

晴れてて、太陽の光が射しこんでるといいですね。

IMG_1406

そして、帰りぎわに。

出入り口のある北面の上部描かれた「よき羊飼いのキリスト」(下の写真)も忘れずに見ましょう。

モザイクで、ここまで写実的な表現ができるというお手本みたいな装飾です。

モザイク画

Mausoleo di Galla Placidia(ガッラ・プアチディア廟)

Via Giuliano Argentario 22, Ravenna
開館時間/9:00〜17:30(4月〜9月は〜19:00)
休み/12月25日
入場料/9.50ユーロ(サン・ヴィターレ聖堂などとの共通券)

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素朴なサンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂を観光

サンタポリナーレ聖堂

 

「ガッラ・プラチディア廟」と「サン・ヴィターレ聖堂」は、ラベンナの街なかにあります。

で、もうひとつモザイク画を見るなら「サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂」がおすすめ。

ラベンナ市内からタクシーで10分くらいの田園にある聖堂です。

 

6世紀半ばに建てられた教会がぽつんと立っていて、中もがらんとしてます。

 

でも、ここの祭壇上にあるモザイク画は、前2つのモザイク画ともまた違う趣で、ちょっとほっこりする感じ。

たまに訪れる観光客と、お祈りにくるジモティ数人くらいしかいないので、モザイク画を静かに堪能できるのも魅力のひとつです。

 

迷える子羊を見つけよう

モザイク画

で、この聖人の足元にいる12匹の子羊に注目

両端の羊が真っ白でないのが分かるでしょうか。

ちょいビミョー

このちょっとベージュな羊が〝迷える子羊〟なんだそうで、聖人に近い羊ほど白さが際立ってきます。

わかりやすい。

実にわかりやすい説明画です。

ちなみに、少し上に描かれている3匹の羊は、使徒ペテロとヨハネ、そしてヤコブなんだそうな。

神の手はアナタの頭上に

ラヴェンナかで、迷える子羊を導く〝神の手〟がどこにあるかというと、十字架からさらにまっすぐ上に目をやると、錦雲からニョッキリ出ております。

なんでも、こういう天から突然あらわれる神の手表現は、ビザンティン美術の特徴なのだとか。

なんとストレートな発想…

見落としがちなので、目を凝らして探してください。

それと、この聖堂のなんともいえないほのぼの感を、体感してね。

サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂

Basilica di Sant’Apollinare in Classe(サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂)

Via Romea Sud 224, Classe Ravenna
開館時間 8:30〜19:30
1月1日・5月1日・12月25日休み

昔のラベンナは、海がすごく近かったらしい

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この教会、田園の中にぽつんと立つ教会なんですが、なんでもラベンナ、昔はもっと海が近かったらしいです。

埋め立てられて、海岸線がずいぶんと離れてしまったとのこと。

確かに、街へ帰る道中、海水浴から帰るジモティたちの渋滞に巻きこまれて、エライ目にあいました。

つまりは、海が近いってコト。

 

と、街で見つけた古い薬局でも、かつてここラベンナが、海に近かったコトを教えてもらいました。

この薬局自体は1888年創業なので、海が近かったころとはいえないようなんですけど。

 

古代ローマの時代、ラベンナが地中海のハーブと中東のスパイスを仲介貿易して栄えていたことを背景にした、そんなコンセプトの店をオープンさせたとのことです。

 

で、実際、ケミカルな薬も扱うが、ハーブやスパイス製品もずらりとそろってます。

薬草酒のたぐいも充実していて、定員さんの商品知識もハンパなかったです。

 

壁には、創業当時や20世紀はじめくらいの写真もたくさん飾ってあって、店の創業者が、街ではけっこうな名士だった感じです。

第二次世界大戦ではレジスタンスとしても活躍したらしい…

 

と、こんなふうに街の歴史をバックボーンに、店をやっているのに好感がもてました。

モザイクも圧巻ですが、古代ローマの時代をセールストークにするあたり、さすがイタリアって感じです。

店は雑貨屋さんみたいに、いろんなものがあって面白いから、ぜひのぞいてみてください。

La Butèga ad Giorgioni(ラ・ブテーガ・ジョルジーニョ)

Via IV November 43, Ravenna
www.erboristeriagiorgioni.it
営業時間 9:00〜13:00・15:30〜19:30
日曜休み(冬季は日曜の午前中営業)

 

ラベンナへの行き方は、ヴェネツィアかフィレンツェから電車で2時間半。
車だとフィレンツェからが2時間半で、ヴェネツィアからだと3時間かかる。

*それぞれの開館・営業時間や休日、料金は変更になる可能性があります
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