シチリアは島といえど、四国の約1.4倍もの大きさ。
世界遺産が7ヶ所もある観光アイランドです。
なかでも、もっともユーモラスな世界遺産が、ピアッツァ・アルメリーナにある「カザーレ荘」。
楽しくもみごとな、古代ローマのモザイク画を見ることができます。
シチリア島のほぼまん中に位置する世界遺産をご紹介。
目次
シチリア観光はピアッツァ・アルメリーナの世界遺産
世界遺産の「カザーレ荘」は、ピアッツァ・アルメリーナという街の郊外にあります。
街には、17世紀のはじめに建てられたという古い大聖堂がありますが、ま、何もない小さな街です。
この街へは、シチリア島東の街カターニャから行くのが最短。
アクセスについては最後にお伝えします。
で「カザーレ荘=ヴィラ・ロマーナ・デル・カザーレ」は、このピアッツァ・アルメリーナから約5km。
森の中に立ってます。
モザイクの前に。古代ローマの土木技術をチェック
ワタシB
え~、柱だけじゃん。なんかツマンナそう
ワタシA
屋根と壁はほとんど失われているからね。
でも、中に入ってびっくりよ。
面白いモザイク画だらけなんだから
この世界遺産は、古代ローマの3世紀終わり〜4世紀にかけて建てられたものですが、当時すでに、上下の水道設備が完備されてます。
ワタシB
わかったから〜 早くモザイク画見にいこうよ
ワタシA
先に面白いモザイク画見たら、こっち見ないでしょ。
こんな昔に水洗トイレなのよ!
お風呂だって、温水・冷水だけじゃなくて、微温水まであったんだから。雨の水を貯める設備もあるエコなヴィラなのよ
ワタシB
ハイハイ、わかった、わかった。
でも雨水貯水設備があるのは、エコってより、当時、水が貴重だったからじゃね
世界遺産のモザイクは、1億個のカケラでできている!
この広大なヴィラには、42室もの部屋があり、そのすべての部屋の床にモザイク画が描かれてます。
緻密に敷きつめられた大理石のカケラの総数なんと、1億個。
37もの色を使いわけて描かれた絵はとても具象的なので、古代ローマ当時の様子を楽しみながら知ることができます。
上の写真は、長さが約70mもある「大狩猟の廊下」。
古代ローマの時代、アフリカで狩りをしていたときの雰囲気が伝わってきます。
画面中央をアップにすると、トラやキリン、象が船に積みこまれているのがわかります。
古代ローマの貴族たちにとって、狩りは最高の気晴らしだったそうで…
こうしてとらえられた動物たちは船でローマに運ばれ、コロッセオとかでグラディエイターと闘わされたというわけです。
北アフリカに点在する遺跡のモザイクに似ているので、ここのモザイク画の職人たちもアフリカから連れてこられたのだろうといわれてます
この観光名所いちばんのアイドルたち
こちらが「カザーレ荘」でいちばん人気のビキニの女子たち。
エクササイズをしている様子で、これはビキニではなく、当時の体操着だそうです。
シチリアの森の中。
観光に来ての、女性美堪能です。
で、けっこうみんな、筋肉質。
鉄アレイとか、ボールとか。
3世紀の昔から変わらないものなんですね。
冠を頭にしているのが優勝した女性。
勝利者の証である〝シュロの葉〟が手渡されてるところまで描かれてます。
シチリアのモザイク画から、古代ローマ皇帝の生活を
なんでもこのヴィラ、古代ローマの帝政末期に皇帝だったマクシミアヌスか、その息子のマクセンティヌスが所有していたという説が有力です。
ワタシB
マクシミアヌス? マクセンティヌス?
誰だよ、それ
ワタシA
マクシミアヌスは軍人皇帝で、戦いによく勝利してるわね。
皇帝を引退しても、2度ならず3度も皇位に復帰してるの。
マクセンティヌスはあまり実力者ではないわ。
父親のおかげで皇帝になれたような…
最後は川で溺れて死んじゃうんだけど
これだけの広さの屋敷で、しかも当時最新のテクノロジーを駆使して建てられているので、皇帝ならずとも、そうとうな権力者が持ち主だったと想像できます。
ワタシA
この建物、いまは森の中だけど、
当時はアフリカからローマへとつづく道に面していたのよ
ワタシB
やっぱ、エンペラー所有のヴィラっしょ。
用事ができたら、ピューっと馬車でローマに帰るのさ
この部屋は、温浴室や冷浴室へとつながる場所。
キューピッドが漁をしているモザイク画が床に見えますが、右上に少しだけ残った壁にもフラスコ画の跡があります。
とにかく皇帝レベルの住人の屋敷は、ただ大浴場があるだけでなく、これだけ贅を尽くしたさまざまな部屋をつくらせていたわけで…
もうね、『テルマエ・ロマエ』もびっくりです。
シチリアの世界遺産といえど、セクシーモザイクも!
寝室手前のリビングスペースに描かれた、半ケツ女子と抱き合うセクシーなモザイク。
英語で〝エロティックシーン〟と呼んでましたが…
さすが古代ローマの快楽っぷりは、インテリアにも手を抜きません。
でも、モザイクのグラデーション使いやお尻の割れ目のラインなどなど、技法の細やかさがすごいです。
こちらの写真が部屋の全体。
奥の窓のあるスペースが寝室というか、ベッドが置かれていたと思われます。
こんな感じで、モザイクづくしのお屋敷跡はなかなかに壮観で、見ごたえがあります。
中世に裏山が崩れて、その後ずっと土砂に埋もれていたので、こんなふうにグッドコンディションが保たれているとのこと。
なんでもこの「カザーレ荘」、古代ローマのモザイク床として世界最大なのだそう。
観光気分を味わってもらうために、も少しモザイク
こちら、子どもたちの競技風景。
ガチョウが引く戦闘馬車に乗ってますが、ほかにもクジャクやフラミンゴの引く馬車もあります。
気分は将軍って感じでしょうか。
次の写真は、手前の明るいところが浴場。
上の5人は、ヴィラの女主人が子供たちと召使いを引き連れて、入浴に向かっているところです。
なんだか、とってもリアル。
でも、幾何学模様のモザイクもきっちりしたもんです。
次の画像は、ところどころにフルーツや植物が描かれてますけど、その周りびっちりと幾何学模様で埋められてます。
ちなみに円の中は、イチジクです。
シチリアのどこからどう行けば、ここが観光できる?
さて、この「カザーレ荘」、素晴らしいとはいえ、残念ながら行きづらいロケーションなのです。
レンタカーで周れればいいのですが、そうもいかないときは、ピアッツァ・アルメリーナに泊まるのが便利ではあります。
とはいえ、そのピアッツァ・アルメリーナまで行くのもバスだし、おまけに便が少ない。
なので、この街に比較的近い観光拠点のカターニャやシラクーサ、タオルミーナ、アグリジェントから、現地ツアーがいろいろと出ているので、それを利用するのが手っ取り早いです。
あるいはそれら拠点の宿泊ホテルに手配を頼むのもアリ。
ちょっとメンドウですけれど…
旅は、手間ヒマかけて行くもの。
頑張ってモザイクを見に出かけてください。
Villa Romana del Casale | カザーレ荘 |
住所 | Strade Provinciale 15, Piazza Armerina, Enna, Sicilia |
営業時間 | 9時〜日没1時間前入場 *7月と8月の金・土・日曜は、23時半まで(最終入場23時) |
休み | ナシ |
入場料 | 10ユーロ(約1,500円) |
公式サイト | 公式サイトのカザーレ荘のページ(伊語・ガイド部分のみ英語あり) |
*営業時間や休日、料金は変更になる可能性があります
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