マチュピチュって「高山病」は大丈夫なん?
はじめてマチュピチュに行く方には気になるところです。
実際、マチュピチュの遺跡は標高2,430mですが、玄関口の街クスコは標高3,400mで、ちょっと走っただけでゼイゼイします。
ペルー最初の訪問地であるリマの標高が0mなので…
平気平気〜と、あなどってたワタシは、きっちりなりましたよ、高山病。
そこからの必死の回復対策。
高山病の症状と合わせてご紹介します。
丸一日かけてペルーまで行って…それでマチュピチュに登れなかったら、笑えないですからね。
\マチュピチュを訪れるなら最初に読みたい/
▶︎マチュピチュ、一生に一度の旅を思いっきり味わうために
目次
マチュピチュへの入口クスコの街は、キケン高山病
![クスコの街並み](https://tabi-travell.com/wp-content/uploads/2016/05/IMG_3644-compressor-e1518591337561.jpg)
マチュピチュに行くのにいちばん近い空港がある街、クスコ。
で、このクスコの標高がなんと3,400mととても高い!
マチュピチュの標高が2,400mなので、肝心のマチュピチュに着く前に高山病になるリスクが高いです。
ペルー各地の標高
街 | 標高 | 備 考 |
リマ(首都) | 0m | 日本からペルーに行く場合、基本この街に入ります。 高さがないので、リマで長時間フライトの疲れをとってから、マチュピチュを目指せれば理想的 |
クスコ(マチュピチュの玄関口) | 3,400m | ハッキリ体感できるほど空気が薄い。 リマ〜クスコは飛行機で1時間(いきなり3,000m以上の高低差がある)・バスで22時間(途中4,000m越えの場所もありハード) |
オリャンタイタンボ | 2,800m | クスコで滞在するよりもはるかに楽。 ここで1泊してマチュピチュを目指すツアーも多い |
マチュピチュ | 2,400m | マチュピチュに至るまでの場所が高地のため、遺跡の高度はあまり気にならない |
チチカカ湖 | 3,800m | *観光客が行く可能性の高いペルーの高地としては、ラ・ラヤ峠4,300mが最高地 |
リマ→クスコの移動は、飛行機にしてもバスにしてもキツイことに変わりはありません。
ただ、バスで丸一日かけるくらいなら、リマで体力を回復しておいたほうがイイ。
で、飛行機移動を選んだビビリのワタシは、リマの空港で、コカの葉入りチョコを購入し食べておりました。
ベテランガイドさんいわく、高山病対策には 「コカの葉を食べるのがいちばん!」 なのだそうで…
で、なんのことはない、クスコの空港に着いたらみんなにコカの葉を配ってました。
もちろんもらって、早速ムシャムシャ。
ただ乾燥させた葉っぱなんで…
おいしかないけど、食べられないほど苦いわけでもない。
気分は、イモ虫ですけれど。
と、クスコ、標高3,400m。
はっきりいって、空気が薄いと実感としてわかるので、とっとと抜け出したいです!
![ワタシA](https://tabi-travell.com/wp-content/uploads/2022/10/8bf7247bd05498406a00f925b322a7b5-e1666171703655.png)
ワタシA
コカの葉はコカインの原料です。
葉そのものの依存性・精神作用は少ないですが、日本にもって帰ると、麻薬犬に吠えられる可能性は大なので要注意です
マチュピチュの高山病対策。一気に標高上げて…大失敗
![山の中のモライ遺跡](https://tabi-travell.com/wp-content/uploads/2017/07/IMG_3354.jpg)
ワタシの行程は、クスコからさらに標高の高いモライ遺跡(3,500m)→ 標高3,000mのマラス塩田 →マチュピチュ行きの列車が出るるオリャンタイタンボ(標高2,800m)で宿泊の予定。
高地に体をならし、より標高の低いマチュピチュ(標高2,400m)へ万全の状態で行こうというものでした。
最近のマチュピチュツアーは、このパターンがけっこう多いようです。
ところがこの対策が裏目に。
だって…ランチを食べたレストランは、モライ遺跡を見下ろすところ。
ナント! 標高3,800m。
で食後、急に頭が痛くなってきて、寒気も。
ガンガン、ゾクゾク。
このとき薄着だったので…後で、調べたら、
寒いのよくない!
高山病対策には、防寒しっかりだいじ
もうね、頭が割れるようで、遺跡どころじゃありません。
マラス塩田も上から眺めるだけでおしまい。
塩田、標高が800m下がったのでラクになるかと思いきや…
坂道下るのもゼイゼイで、結局途中までしか行けませんでした。
一度、高山病になると、標高が少し下がったくらいでは治らないのでした。
![山肌に段々になったマラス塩田](https://tabi-travell.com/wp-content/uploads/2016/05/IMG_3358-compressor-e1518592365944.jpg)
取材スタッフは塩田まで降りて行って、触ってきましたが…
ワタシは見下ろすだけでギブアップ。
1袋1USドルの塩を買って、おばちゃんの写真を撮らせてもらうのが精一杯でありました。
![マラス塩田のおばちゃん](https://tabi-travell.com/wp-content/uploads/2016/05/IMG_3378-compressor-e1518592416419.jpg)
ふつうなら5分で上がれる坂道を…20分くらいかかって上り…
頭ガンガン、寒気ゾクゾク、動悸バクバクです。
高山病になるとどうなるのか
高山病といっても、登山でもしないかぎりワタシたちの生活とは無縁です。
いったい、高山病になるとどんなコトが起こるのかをまとめておきます。
まず、高山病になる理由は、高地の低気圧と低酸素にカラダがついていかないからです。
だいたい、いきなり3,000mを超えるとカラダに一気に負担がかかります。
- 激しい頭痛
- 倦怠感
- 吐き気
- めまい
- 食欲不振
- 脈拍が速くなる
- 寒気
- 手足のむくみ
初期症状は、こんな感じ。
全部いっぺんに起こるというよりは、ひとつの症状あるいはいくつか合わせて起こります。
重症になると、呼吸困難になり、肺浮腫になって死亡! ということも。
高山病対策には、深呼吸だいじ。でも、できない…
![オリャンタイタンボのホテル外観](https://tabi-travell.com/wp-content/uploads/2016/05/IMG_3400-compressor-e1518592474960.jpg)
塩田から、標高2,800mのオリャンタイタンボにある超ラグジュアリーなホテルに着くも…ベッド直行。
高山病の兆候が出たところからは、標高1,000mも下がっているというのに、です。
ヤバイ。
実にヤバイ。
明日はマチュピチュ。
本番を前にして、この高山病が治らなかったら、シャレになりません。
なので、寝ながら高山病対策、必死で調べまくりましたね。
で、頭痛は、酸素が脳に行ってないとのことで、とにかく深呼吸せよと。
ところがドッコイ、これがウマくできません。
しまいにゃあ、深呼吸できるくらいなら、苦労はしね〜って感じでありました。
それでも、なんとか深呼吸を30回ほどがんばると、確かにかなり楽になる。
もちろん、あまりに辛いときは、ホテルにも酸素吸入器が用意されているので、それを使うのも一手。
ただこれ、あくまでもそのとき楽になるだけで、治るわけじゃありません。
深呼吸の対策には、花の水で
![高山病予防のアグア・デ・フロリーダ](https://tabi-travell.com/wp-content/uploads/2016/05/IMG_3677-800x1200.jpg)
で、写真のAGUA DE FLORIDA(アグア・デ・フロリーダ)。
ガイドさんが何度か使わせてくれた、高山病対策の〝花の水〟。
ハーブの香りで、これを手のひらに塗って吸いこむと、深呼吸がしやすい。
対処療法だけど、高山病が心配な人は、予防対策としてゲットすることをおすすめ。
AGUA DE FLORIDA
クスコの市場で、70mlボトル4ソル(約140円)。
なんとアマゾンjpでも売ってましたが、270mlボトルで¥12,516!(タケー)
こんなに大量に必要ないし、だいいち高すぎるので、クスコで調達を。
ひたすら水飲んで、マチュピチュの標高なんのその
![チチカカ湖のホテルの部屋に置いてある飲料水の画像](https://tabi-travell.com/wp-content/uploads/2018/05/titilaka-water.jpeg)
で、深呼吸がなかなかできなくとも、水なら飲めます。
とにかくグビグビ、ひたすら水を飲むこと。
思っている以上に、これでずいぶん改善されるから不思議です。
ガイドさんいわく「水はH2Oでしょ。酸素が入ってますからね」とのこと???
1日2リットル以上の水を飲む
この水飲み対策は、今回のルートより標高の高いチチカカ湖でも効果を発揮したので、おすすめです。
それでも、頭痛は治らないので、鎮痛剤を飲みました。
ほかのクスリを飲んでいる人は注意が必要と思いますが、
頭痛薬は飲んでもよい、みたい。
そして、水だけでなく、お茶を飲むのも重要です。
コカティーあるいはムニャティーを機会あるごとに飲む
![ムニャティーの画像](https://tabi-travell.com/wp-content/uploads/2018/05/munatea-700x450.jpg)
コカティーは、コカの葉のお茶。
ムニャティーも、やはりムニャの葉のお茶で、こちらはノンカフェイン。
このときは知りませんでしたが、2回めのペルーで、ドクターから高山病のクスリを処方してもらったときは 「コカティーは飲むな。飲むならムニャティーにしろ」と。
カフェインの作用が問題だったみたいです。
郷に入っては郷に従うで、現地の人のおすすめには素直に従いましょう。
朝から晩まで、マチュピチュに着いてからもひたすらムニャティー飲んで高山病対策してたら、だいぶ楽になりました。
もちろんマチュピチュ遺跡にも水は必携(▶︎マチュピチュのベストシーズンの正解は!服装&持ち物【完璧リスト】付き)
マチュピチュの標高よりも前段階に注意
で、結論としては、マチュピチュの遺跡自体は標高が2,400mですが、そこに行くまでのクスコの街、標高3,400mとかが問題。
実践したものからのアドバイスは
- コカの葉を食べましょう
- 防寒対策は万全に
- 大量水分補給は必須
- 深呼吸はできるうちにコマメにしておく
- コカティー or ムニャティーを飲む
これでなんとか無事に、マチュピチュにも2日続けて行き、 さらにはその後、標高4,000mのチチカカ湖でも2日間ぞんぶんに楽しむことができました。
なんでも高山病は、年齢に関係なくかかるようだし、ふだん運動している人でもなるらしい。
まぁ、寝不足などの不摂生はよろしくないとは思いますが。
軽症だったので、これでワタクシは乗り切れました。
でも、あくまでも無理は禁物。
ちょっとでも苦しかったら、すぐSOSを出すべきだと思います。
ドクターが処方してくれる抗生物質のような薬もありますし、酸素吸入はたしかに楽になります。
チチカカ湖からの帰路、空港には酸素吸入器をつけて車椅子の高山病な人たちがズラッとおられたのでね。
気をつけましょう。
追加・高山病の薬情報
マチュピチュではない、より高地(4,400m)のペルーに行ったときは同行のドクターから薬をもらいました。
ペルーで Aletalk として売られている薬です。
日本ではの商標名「ダイアモックス」。
日本だと医師の処方が必要ですが、ペルーでは薬局で購入できます。
12時間おきに1錠服用。
4日間飲みます。
高地に出かける前日から飲みはじめればOK。
高山病の初期症状が出てからでも、服用すると改善されます。
同行ドクターの説明では、指先にシビレの出ることもあるが、じょじょに出なくなるとのこと。
ワタシも飲みはじめの1日めは、手の指先が少しシビレました。
副作用が気になる人、とくにほかの薬を飲んでいる人は、日本で医師に相談しておいたほうがいいでしょう。
本番のマチュピチュでのお楽しみがかなわなくなるので、クスコへ出発する前から、高山病予防に専念するのがよいと思います。
オドカスわけではありませんが、高山病は年齢や体力関係なく発症しますし、1度大丈夫だった人でも2度めに発症することもあります。
鼻炎の人は高山病になる確率が高いといわれていますが、鼻炎でないからといって高山病にならないわけではありません。
マチュピチュを満喫するために、万全の体制で出かけましょう!
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