多くのイスラム教徒が、日中に断食をする約1ヶ月の〝ラマダン〟
ラマダン時期の中東や東南アジアのイスラム諸国では、日ごろ見ることのできない光景に出合えたり、このときにしかできない体験がたくさんできます。
とくにUAE(アラブ首長国連邦)第2の首長国であるドバイはヤバイ。
日没後にくり広げられる、ゴージャス悦楽の食卓。
〝もってけドロボウ〟の破格値セールなどなど。
禁欲月だからこその享楽を味わうことができるので、観光旅行するにはこの上なくオススメです。
ホテル代すら安くなる驚異のラマダンセールを活用しないテはない。
2020年の今年は、4月24日〜5月23日がラマダンの予定!
多少ズレてもゴールデンウィークにバッチリ重なるので、これは行くっきゃないでしょう。
*ラマダン時期(2021年は4月12日〜5月11日・2022年は4月2日〜5月1日予定)。
コロナの情報に注意して予定を立てましょう
目次
ドバイの人も、日が沈めば食べます!
ワタシ、ラマダン=断食、完全絶食なのだと思ってました。
いやいやラマダンは約1ヶ月もつづくので、そんなことしたら死んじゃいます。
試練でなく喜びのラマダン【2020年】はGWに行ける!
ラマダンとは、イスラム歴の9月のこと。
イスラム教徒はこの月、日の出〜日没までの間、断食します。
水も飲みません。
でも、イスラムの人たちにとって、これは〝試練〟ではないそう。
むしろ乗り越えるものがたいへんであればあるほど、神からの報いも大きくなるので〝喜び〟なんだとか。
みんな、毎年ラマダンがやって来るのを楽しみにしてますし、子どもたちは断食を行えるようになると、大人になった気がするんだとか。
そう、小さな子どもたちや妊婦、病人などは断食をしません。
危ないですからね。
2020年は、4月24日〜5月23日がラマダンの予定。
なぜ予定かというと、間近に観測する月を観て決定されるから。
これまた異文化な決め方…
ラマダンはダイエットに向かない
でも…ナンカ、敬虔すぎない?
と、邪心に満ちたワタシは思います。
ハイ。一部の富豪ムスリム(イスラム教徒)は、ラマダン中に海外旅行に出てしまうらしい…
ただそれは、ほんのひと握り。
多くのムスリムが、神の報いを信じているからこそ、前向き志向なんでありますね。
これが信仰。
とはいえムスリムたちも人の子です。
日没後に食べる食事は「イフタール」といって、特別。
大家族集合で、にぎやかにスペシャル豪華な食事をします。
約1ヶ月、毎晩。
だから太る人が多い、らしい。
ラマダン中は、日中の勤務時間も短くなるし、〝昼は寝て過ごしていいよ〟っていうものだから、そら太りますね。
もちろん働いてる人もたくさんいるし、奥さんたちは夕食づくりで大忙しです…
ドバイのホテルの「ラマダンテント」がスゴい!
で、レストランも「イフタール」特別メニューで、盛り上がります。
ドバイの人たちも1ヶ月、いくら豪華とはいえ内食ばかりでは飽きるので、一族郎党で有名レストラン借り切りで食事ナンテこともするわけです。
各ホテルには趣向を凝らした「ラマダンテント」が設営され、めくるめく飽食ワールドがくり広げられます。
で、観光客のワタシらも、この特別な「イフタール」の恩恵にあずかれるというわけ。
日中、断食してないけど…だいじょうぶです。
4,000〜8,000円くらいで、5ツ星Lクラスのホテルの「ラマダンテント」が楽しめます。
お洒落テントのドバイ・ホテル巡り
で、ドバイ滞在中にホテルを泊まり歩くのはメンドウですが、毎晩いろんなホテルの「ラマダンテント」に出かけるのは、むちゃ楽しい。
お財布的に絶対ムリなホテルにも入れるし、つぎの滞在の下見をかねてのぞきに行くのもアリです。
なんせ各ホテル「ウチがいっちゃん素敵なテントや!」としのぎを削ってますし、毎年、「ラマダンテント」ベスト10なるも、観光局や地元紙、あちこちのサイトで発表されるので、気合いも入ってます。
人気ホテルの「ラマダンテント」を4軒チェックしましたが、2020年の発表はまだなので、2019年の情報をご紹介します(随時更新)
アトランティス・ザ・パーム
料金/220ディルハム(約6,500円)
時間/日没〜20:30
料理/バエティに富んだ伝統的な中東料理
*ホテル内のレストラン「Nobu」でも通常メニューにくわえイフタール特別メニュー305ディルハム(約9,200円)
ブルジュ・アル・アラブ ジュメイラ
料金/265ディルハム(約7,900円)
時間/日没〜21:00
料理/中東料理
ザ・リッツ・カールトン ドバイ
料金/205ディルハム(約6,100円)*12歳未満は半額
時間/日没〜20:30
料理/中東料理
アルマーニホテル
料金/250ディルハム(約7,500円)
時間/日没〜21:00
料理/中東料理とインターナショナル料理
で、終わるの早くない? と思うのですが
日没後の食事「イフタール」につづき、日の出前の食事「スフール」がはじまります。
1時間ほど置いて、あらたに「スフール」営業がはじまる感じ。
「スフール」をやってないところもあるので要チェックですが、だいたい夜中の2時3時までオープンしています。
水パイプのサービスは許可制
「シーシャ(水パイプ)」が吸えるホテルもあります。
ちょっと妖しい、アラビアンナイトな気分になれるので、これもオススメ。
水パイプを提供するには国の許可が必要なので、どこのホテルでもというわけではありません。が、「ウォルドルフ・アストリア」や「ワン&オンリー ロイヤル・ミラージュ」なら確実に楽しめます。
ラマダン。日中の食欲は、物欲にて忘却する
と、昼はショッピング。
スーパーは、夜のごちそうのための買い出しでにぎわってます。
ショッピングモールは、ここぞとばかりに爆買する人たちで、ごった返し状態です。
ドバイのモールで、破格値シッピング
ラマダンセール、50%、60%オフは当たり前。
75%オフなんてのもあります。
で、この時期、200ディルハム(約6,200円)のお買物をすると、最高で400万ディルハム(約1億2000万円)が当たる! なんてモールも…。
うーむ、さすがアラブ…
日ごろ、お金がないので買物しないワタシも、ネが物欲のカタマリなので…
買いました。
仕事で行ったのに、買物しちゃいましたヨ。
だって、安いんだモン。
時間がないときは「ブルーミングデールズ」といった欧米系の百貨店にかけこむのがおすすめです。
コンパクトにいいものがまとまっているので、買物がしやすい。
ドバイのショッピングモール・ラマダン時期の営業:
世界最大の「ドバイモール」は、10:00〜翌2:00(キッザニアだって1:00amまでやってます)
次に大きな「モール・オブ・ジ・エミレーツ」は、10:00〜翌1:00
*ドバイでの買い物についてはコチラの記事が参考にしていただけます
▶︎モール、スーク〜スーパー、空港までの商品11選!
ジュエリーもスマホも、なにもかもが安い
で、ホテルも例外ではありません。
まずマダムたちが喜ぶのは、スパでの割引でしょうか。
「アトランティス ザ・パーム」では、全トリートメント30%オフでした。
それで、ついつい高いトリートメントをお願いしちゃった、銭失いのワタシです…
そして、ナント。
宿泊料金も安くなるんです!
ふだん泊まれない超高級ホテルに泊まるチャンス
まず、世界でいちばん料金が高いといわれる7つ星ホテル「ブルジュ・アル・アラブ ジュメイラ」を→公式サイトの予約ページをチェック。
週末旅行イメージで、2020年4月11日(土)での1泊2名料金。
エントリールームの「デラックス・1ベッドルーム」で、8,036ディルハム(約23万9500円)です。
で、2020年のラマダン予定は、4月24日〜5月23日。
5月16日(土)で同じ条件で調べると…
1泊4,520ディルハム(約13万4700円)。
ナント約10万5000円も安い!
ま、安くなっても10万越えですから、ナカナカ泊まれませんけど…
*2020年1月24日調べなので、日時が変わると料金も変動します
で、某「格安料金比較」サイトで調べたら、5月16日宿泊は11万円台でした。
2017年から毎年チェックしていますが、公式サイトのほうが安かったりそうでなかったりと変わります。
為替の影響もあるかと。
ちなみに現段階ではエクスペディアがいちばん安かったです。
エクスペディアのブルジュ アル アラブ ジュメイラの料金
大好きなワン&オンリー ロイヤル・ミラージュと有名なアトランティス・ザ・パームの料金もチェック。
ホテル名 | 4月11日の料金 | 5月16日の料金 |
ブルジュ・アル・アラブ ジュメイラ | 約23万9500円 | 約13万4700円 |
ワン&オンリー ロイヤル・ミラージュ | 6万7062円 | 4万235円 |
アトランティス・ザ・パーム | 5万3915円 | 1万9044円 |
*ワン&オンリー ロイヤル・ミラージュとアトランティス・ザ・パームは公式サイトに表示される日本円の料金です
ラマダン中、観光客も少しガマンしなきゃいけません
イスラム教徒でない観光客は断食する必要もないわけで、自由にドバイを楽しめます。
が、まぁ、世の中そうそうウマい話ばかりではないわけで、ラマダン中の観光にもいくつかできないこと・注意点はあります。
日中、公共の場所での飲み食いはダメ
街中が断食しているわけですから、これは人として当然。
営業しているレストランも、入り口に衝立を立てて、店内が見えないようにしています。
子どもだからといって、公共の場所で食べさせるのは、絶対ダメです!
上の写真は、テイクアウトだけOKのパン屋さんの「ポール」。
店内の椅子は、休憩用に開放してます。
ホテルの部屋の中なら、ビールを呑もうがなんでもアリですが、水を飲むのも公衆の面前はNG。
ガムも噛んじゃダメ、喫煙もダメ。
口にするものすべてダメです。
残念ながら、試食や試飲もできません。
どうしても試してから買いたいものは、夜、買いに行きましょう。
ラマダン中は、夜中までお店が開いてます。
でも公共の場所での飲食禁止は、観光客にとって、意外とそんなに不便ではないです。
衝立目隠しで、営業しているお店はそこそこあるので、心配ご無用。
なんで日が沈んだのに、アルコールは呑めないんだよぅ!
ワタシがいちばんキツかったのは、夕食のアルコールでした。
日が沈めばゴハンはOKなのに、なぜか、アルコールは20時を過ぎないと呑ませてもらえません。
ムスリムは、もともとアルコールを呑まないので、これはムスリム以外へのイジメじゃないかナンテ思うほど、「乾杯〜! 」ができない食事は…味気ない。
あるレストランでは、上の写真のようにアルコールの空瓶と空箱をディスプレイしてました。
チッと、こころの中で舌打ちをしたのは、ワタシだけではないはずです。
セクシーな服も着てはいけません
ラマダン中のムスリムは、性欲もガマンしてます。
だから観光客といえど、ベリーダンスはこの時期、見ることができません。
楽しみにしていたオジサン方にはお気の毒ではありますが。
そして、ムラムラっとするような薄着で出歩くのもいけません。
禁欲中の人を挑発してどうするってことです。
意図や意味を少しは理解して行こう
ラマダン中は、豪華な食事や激安セールと書いてしまいましたが、異文化コミュニケーションをはかるためにも、ラマダンがグルメとショッピングだけでないことは、頭のスミに置いておきましょう。
そもそも「ラマダンテント」は、裕福な人が家の前に設営したり、モスクにつくられ、みんなに食事をふるまうものなんです。
〝富めるモノは、貧しきモノに与えよ〟が、イスラム教の根幹のひとつです。
夕方、車で走っているときにラマダン明けを迎えそうな人には、「ラマダンボックス」が道で配られてます。
とりあえずの水と栄養補給のデーツ(ナツメヤシの実)が入ってるという。
フェラーリとかに乗っている人は、丁重にお断りになるそうではありますが…
また、ショッピングモールやスーパーには、寄付箱が設置されます。
ラマダン時期に喜捨しなくてはいけないわけではありませんが、寄付もまたムスリムのだいじな義務なので、みんなこぞってお金や食べもの、服などを寄付します。
寄付の食べものを入れる冷蔵庫を置くところもあるとか。
みんな、あたりまえのように寄付しているので、すごくいい習慣というか文化だなぁと思いました。
ラマダンは観光客も楽しめるお祭りさわぎであるのは確かです。
合言葉である〝ラマダン・カリーム〟は、〝ハッピー・ラマダ〜ン〟みたいな感じで使われます。
メリークリスマスみたいなもんですね。
でも、背景にある敬虔な信仰を忘れちゃダメです。
そんなことを少し考えながら、買いものしよ〜!
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