冬のヨーロッパは「クリスマスマーケット」が楽しい。
ホットワインを片手にクリスマス市に並ぶストール(屋台)を冷やかして…
ツリー飾りの華やかキラキラながら、マーケットの人混みがなんともワイ雑でウキウキします。
で、クリスマスマーケットといえば本場ドイツと思うでしょうが…
お隣オーストリアもおすすめ。
ウィーンのクリスマスマーケットは超人気ですし、同じく音楽の都のザルツブルクも魅力的。
で、ひと味ちがう体験としてイチ押しなのが…
ザルツブルクはじめ「きよしこの夜」ゆかりのオーストリア各地を巡りつつ、素朴で愛おしいクリスマスマーケットを楽しみましょうよ、です。
目次
まずは音楽の都、ザルツブルクへ
ザルツブルクはオーストリア北部の街。
ウィーン同様〝音楽の都〟として、世界的に有名な国際音楽祭も開かれます。
ウィーンからだと電車で2時間半、飛行機なら50分という距離。
大聖堂前の広場のクリスマス市
で、ザルツブルクのクリスマスマーケットのイチオシは「ドーム広場&レジデンツ広場」で開かれる市です。
世界でもっとも古いクリスマスマーケットのひとつ。
大きからず小さからずの規模が快適で、回って見てるだけでウキウキできます。
レジデンツのテラスから見たクリスマスマーケットの様子。
やっぱり〝赤〟は目立つね。
寒いんでホットワインやホットチョコレートが人気だけど、リキュールを売ってる屋台にも惹かれちゃいましたね。
ヨーロッパ最大のパイプオルガンのある大聖堂
もちろん大聖堂内部の観光もマスト。
この大聖堂はモーツァルトが洗礼を受けたところで…
天井がとても高い。
現在の建物は17世紀に建て直されたバロック建築ですが、元々は8世紀後半のロマネスク様式で建てられていた歴史ある大聖堂です。
かなり立派。
ザルツブルクはザルツ=塩・ブルク=城の名前の由来となった岩塩の交易で栄えた街で、けっこうな力をもっていました。
なので大聖堂にはヨーロッパ最大のパイプオルガンがあり、聖堂の鐘もドイツ語圏では最大の鐘なのだそうな。
[su_note note_color=”#fffee0″ text_color=”#170000″ radius=”19″]【サルツブルクのクリスマスマーケット】 ・2019年は11月21日(木)〜12月26日(木) ・月〜木曜 10時〜20時30分 金曜 10時〜21時 土曜 9時〜21時 日祭日 9時〜20時30分 12月24日 9時〜15時 25,26日 11時〜18時[/su_note]
12月19日(木)出発でザルツブルクとウィーンのクリスマスマーケットに行くツアー
「きよしこの夜」が初演奏された教会へ
「きよしこの夜」は、ザルツブルクの近郊オーベンドルフという街にあった聖ニコラス教会で、1818年のクリスマスに初めて演奏されました。
というわけで、去年2018年が200周年でした!
「きよしこの夜」とは…
当時、この聖ニコラス教会で副司祭をつとめていたヨーゼフ・モール神父が歌詞を書きました。
近くの村で教師をしながら教会のオルガンを弾いていた、フランツ・クサーバー・グルーバー先生が、その歌詞に曲をつけたものです。
教会のオルガンの調子が悪かったので…
モール神父がギターを弾きながらテノールで歌い、グルーバー先生がバス担当という初演。
いまでも、洪水で流された聖ニコラス教会の跡に立つ「きよしこの夜記念礼拝堂」では、2人の男性が歌声を披露してくれます。
素朴でほっこりとしつつも清々しい「きよしこの夜」。
〝原点〟な感じの「きよしこの夜」が聴けるこのチャペルに訪れてみるのが、素敵です。
で、この礼拝堂の敷地にもクリスマスマーケットが立ってます。
屋台が20くらいのちっさな市ですが、逆にこんなに小さなクリスマスマーケットに行ったことのある人は少ないのでは?
なんだか可愛らしくて、マーケットでもほっこりできます。
[su_box title=”きよしこの夜礼拝堂に行くには” style=”soft” box_color=”#fffee0″ title_color=”#696969″]「きよしこの夜」発祥の地オーベンドルフへは、ザルツブルクから電車で30分弱(オールドタイマー車両という鉄ちゃん垂涎の車両が走る日もあります)。 駅から礼拝堂までは、歩いて10分です。
現地ツアーもあるので、電車がメンドウという人はどうぞ →きよしこの夜の礼拝堂に行く現地ツアー 午後、ザルツブルクを出て18時には戻ってこれるスケジュールです。 イヴの夜、ミサに参加するツアーもあります。[/su_box]
きよしこの夜巡りでクリスマスマーケットを楽しむ
オーストリアとくにザルツブルク、チロル、オーバーエステライヒの3地方では「きよしこの夜」関連に力を入れているので、お楽しみです。
古都シュタイヤーでは鍛治職人のマーケット
きよしこの夜の作曲家グルーバーの故郷があるのが、オーバーエステライヒ地方。
この地方の古都シュタイヤーは中世の街並み残る趣のある街で、かつて鉄器や刃ものづくりで栄えた歴史があります。
だから、クリスマス・マーケットにも現役の鍛治職人たちが40人以上も参加していて、アクセサリーやインテリア用のアイアン・グッズを売ってます。
シュタイヤーは1000年の歴史をもつ街で、手入れの行き届いたゴシックの建物が並んだ旧市街はとにかく美しい。
そしてここシュタイヤーには、クリスマス時期だけ開く郵便局や古いクリスマスツリーや飾りつけが見られる博物館もあります。
ドイツ語圏ではもっとも古い、現役のパペット劇場のひとつもあって、もちろんクリスマスの演目が楽しめます。
[su_box title=”シュタイヤーに行くには” style=”soft” box_color=”#fffee0″ title_color=”#696969″]シュタイヤーはザルツブルクから車で約130キロ。 約1時間半の距離です。 電車で行く場合は、ザルツブルクからSt.Valentin(サンクト・ヴァレンティン)駅かLinz(リンツ)中央駅乗り換えで、Steyr(シュタイヤー)まで2時間〜2時間半です。[/su_box]
神父ゆかりのヴァークラインで音楽三昧
ザルツブルク地方のヴァークラインは、歌詞を書いたモール神父が晩年司祭として尽力した街です。
神父が司祭をつとめた教会ではもちろんクリスマスのコンサートが行われます。
このコンサートがゴスペルあり、古楽器の演奏ありでなかなか聞きごたえあり。
選曲もよく、ソロを任されている女性シンガーがかなり!デス。
街中でも、雪が降ろうがおかまいなしのバンド演奏というのが、いかにもオーストリアらしい。
ホットワインに酔いつつ聴く生の管楽器もいいものです。
[su_box title=”ヴァークラインに行くには” style=”soft” box_color=”#fffee0″ title_color=”#696969″]ヴァークラインはザルツブルクから車で約80キロ。 約1時間の距離です。 タクシーだと2万〜2万5000円かかります。 電車だと2回乗り換える必要があって、1時間半かかります。 電車でSt. Johann im Pongauまで行って、そこからタクシー(約4,000円)で行くと1時間ちょっとで行けます。 [/su_box]
チロル地方の「マウンテン・クリスマス」
「きよしこの夜」がはじめて歌われたとき、オルガンが壊れていたと先ほど書きました。
後日、そのオルガンを修理したのがチロル地方の人で…
そこから「きよしこの夜」がチロルに広まり、さらにチロルの旅商人がドイツに広めます。
ドイツ宮廷でも披露された「きよしこの夜」は、さらにアメリカにも流布されて世界中、いまや300カ国以上に訳されて歌われています。
きよしこの夜の世界進出に一役買ったチロル地方では「マウンテン・クリスマス」がおすすめ。
アーヘン湖の清々しい空気のもと、最高に爽やかな気分に浸れます。
何世紀にもわたって続いてきた、チロル農家の伝統的なクリスマスを垣間観る感じ。
生きてる馬や牛のいる小屋に見立てたステージで、キリスト生誕劇を見ることもできます。
これ、なかなかリアルな匂いが鼻にきて…
こういう匂いの中に救世主が生まれたのかと、ある種の感慨が味わえます。
クリスマスに食べる素朴なビスケットもある、ライブな山のクリスマス。
ここでもクリスマスの〝原点〟が知ることができるのでした。
[su_box title=”アーヘン湖に行くには” style=”soft” box_color=”#fffee0″ title_color=”#696969″]アーヘン湖はザルツブルクから車で約160キロ・約1時間半の距離です。 インスブルックから行くのがおすすめで、車で約50キロ・約45分の距離です。 電車だと2回以上乗り換える必要があって、2時間以上かかります。 レンタカー or タクシー利用、あるいはインスブルックからのツアーで行来ましょう。 [/su_box]
「きよしこの夜」の最初の歌い手は、ヒパッハのシュトラッサー一家として知られています。
一家はオーストリアの歌の音楽会を開きながら外国を巡り、各地で感動を与えていました。
その訪問地は数多く、ペテルスブルクからニューヨークにまで及びます。
そんな歌声を想像できるのが、上の動画。
雪深いオーストリアの田舎で味わうクリスマスの雰囲気もオツなもの。 ぜひ出かけてみてください。
シメはウィーンのクリスマスマーケットで
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