バヒア宮殿はモロッコのマラケシュにあり、モロッコ式建築の代表的な建物。微に入り細に入りのみごとな装飾と手入れの行き届いた庭園が堪能できます。
マラケシュのメディナ(=旧市街)の真ん中にあり、保存状態も良好なので単純に見て楽しい。
光にあふれた庭園を散策しながら、ハーレムに集った女性たちに思いを馳せてみるのも一興です。
おすすめ度★★★★
目次
バヒア宮殿とは
バヒア宮殿は19世紀末、モロッコの大宰相の私邸として建てられました。
宮殿名のバヒアはアラビア語で〝美しい〟〝輝かしい〟といった意味ですが、宰相の妻のひとりバヒアの名からつけられたとも言われています。
後に宰相だけでなく、モロッコの官僚たちもこの宮殿に住み、国を動かしていたのだとか。
ま、庭ふくめ、とにかく広いです。
宮殿はモロッコ伝統の建築スタイルに、スペインのアンダルシア、アラブの建築様式を融合。
アンダルシアのアルハンブラ宮殿をつくったのが北アフリカのイスラムだったんだよねと、感慨にふけれます。
内部にはモロッコの文化や芸術を反映した装飾が施され、当時のモロッコの高級官僚たちの生活を垣間見ることができます。
バヒア宮殿の見どころ
バヒア宮殿には、以下のような見どころがあります。
大広間
建物の中心にある大広間は、モロッコの建築美学を象徴するような壮麗な作りとなっており、吹き抜けの天井には美しい装飾が施されています。
美しい噴水も備え、また広間のまわりには美しく装飾された部屋がならんでいます。
また、緑と青色を基調とした装飾により、涼やかで優雅な演出もなされているのでした。
部屋の装飾に注目
大広間をふくめ、各部屋の美しいモザイクタイルやレリーフ、彫刻、壁画…
エキゾチックかつハイセンスなインテリアも堪能しましょう。
家具も要チェックで、モロッコ伝統のテーブルや椅子に注目を。
高級官僚の部屋
宰相の私邸だったバヒア宮殿は、のちに高級官僚たちも暮らすようになります。
当時の政治や経済の要職に就いていた人々が暮らした部屋では、華やかなほかの部屋とはひと味違う魅力的な装飾が見れます。
宮殿内部には彼らの生活空間だけでなく仕事場だった場所もあるので、変化のあるインテリアが楽しめます。
中庭と外庭、2つの庭園
中庭には美しい噴水や樹木が植えられ、四季折々の花々が咲き誇ります。
外庭は広大な庭園。
散策しつつ、19世紀のモロッコへとタイプワープすることができます。
宮殿を建てた宰相は、当時、モロッコの植民地化を狙う欧米諸国からの干渉に抵抗していた大宰相です。
政治家としても有能な宰相でしたが、文化的素養の豊かな人物だったようです
ハーレムは、より豪華なしつらえ
バヒア宮殿には、宰相の妻や妃たちが暮らした〝ハレム〟があります。
ハレムの部屋は宮殿のどの部屋よりも豪華な装飾が施されており、当時のモロッコ女性たちの美意識や生活スタイルを知ることができるらしいのですが…
残念ながらこちら、一般公開されてません。
ハレムには奴隷や使用人たちが働いていた部屋もあるのだとかで、なんか、のぞくだけでいいから見たいものです。
バヒア宮殿のアクセスと基本情報
バヒア宮殿はマラケシュのメディナ地区にあります。
市の中心部からタクシーでも徒歩でも10分ほどです。
入場料 | 70ディルハム(約800円) |
開園時間 | 8時〜17時 |
休み | 無休 |
住所 | Morocco, Marrakech, Rue Riad Zitoun el Jdid |
まとめ
マラケシュには美しい建築物がいろいろありますが、バヒア宮殿はなかでも魅力的な場所です。
19世紀、近現代のモロッコの政治家たちが暮らした場所というのを念頭に、美しい庭園や豪華な装飾の部屋やしつらえを眺めて楽しみましょう。