海外旅行はさまざまに楽しい経験ができますが、いろいろと準備をするコトがあります。とくに持病や緊急時のために必要な薬を携帯するときは、事前に旅行先のルールや手続きの確認をしなくてはいけません。
知らずに持ち込んだ持病の薬が…診断書がないために没収されたりナド、笑えません。海外旅行に持って行く薬については早めに調べて、必要ならば手続きを済ませてしまいましょう。
失敗のないよう、海外に薬を持ち込むときの正しい手順と注意点についてを解説するので熟読してください。薬の持ち込みに関する基本的なルールや国別の具体的な規制情報など、旅行前に知っておくべきコトが分かります。
目次
海外旅行へ薬を持って行く前に知るべきこと
海外旅行へ出かけるときは、いつも使っている薬を持って行くことが大切です。国によっては持ち込みが禁止されている薬もあるので、事前に調べること。以下のポイントに気をつけて準備しましょう。
- 必要な手続きと持ち込みルール
- 処方薬は医師の診断書や薬剤証明書が必要
- 特定の薬剤(麻薬・向精神薬)の持ち込みルール
必要な手続きと持ち込みのルール
旅行先の国によっては、薬物に対する持ち込み規制が異なります。規制のある薬を持ち込むときは、以下のものが必要です。
- 処方箋の原本とコピー
- 医師の診断書
- 英語で書かれた薬剤証明書
持ち込む薬は未開封でラベルが読める状態でなければいけません。輸入許可が必要な薬剤もあるので、事前の申請を忘れないようにしましょう。
海外に薬を持っていくときは、旅行期間に必要な分量だけ持参するのがおすすめ。多めに持って行くのはやめましょう。手荷物に入れる場合は、セキュリティチェックの規則に注意すること。麻薬類や向精神薬類など特別な規制がある薬は、持ち込みが禁止されている国も多いので、とくに注意が必要です。
処方薬は医師の診断書や薬剤証明書が必要
海外旅行に処方薬を持って行くには、医師の診断書や薬剤証明書が重要。診断書や薬剤証明書には薬の名称、用量、服用期間が記載されている必要があり、英語での書類をおすすめします。
特定の薬剤(麻薬・向精神薬)の持ち込みルール
麻薬や向精神薬など、特定の薬剤を海外に持ち込む場合は、とくに注意が必要です。麻薬や向精神薬は、当然ながら持ち込みに厳しい制限があり、無許可で持ち込んだ場合、逮捕や罰金の対象になります。
事前に目的地の国の大使館や領事館に問い合わせ、正しい手続きを確認してください。必要な手続きをし、医師の処方箋や必要書類をそろえ、正式な許可が必要になります。
各国の医薬品持ち込み規制の一例
医薬品の持ち込み規制は、国によって違います。訪問予定の国の規制ルールを事前に確認しておかないと大変なことに。アメリカ、ヨーロッパ、アジア…、各地域の規制内容について紹介します。
アメリカの場合
アメリカへの薬品持ち込みに関するルールは、米国運輸保安局(TSA)や米国食品医薬品局(FDA)によって定められています。アメリカの薬品持ち込みに関するルールのポイントは、以下のとおり。
- 液体やジェル状の薬は100ミリリットル以下の容器に入れる
- 薬は透明なジッパーつきの袋に入れる
- 麻薬や向精神薬などの薬物は特別な許可の取得が必要
- 規制された薬物を持参するときはFDAのガイドラインに従い、適切な手続きを行う
- 90日以上の滞在は薬の持ち込み量に制限がある
免税店や空港で薬を購入した場合、手荷物検査の対象です。未開封の商品であっても、安全検査のために開封が求められる場合があります。
*詳細については厚生省のサイトをチェックしましょう
ヨーロッパの場合
ヨーロッパではEU加盟国間での医薬品持ち込み規制が緩和されていますが、国によっては特定の薬の持ちこみに制限があります。加盟国間の旅行でも処方箋の提示は必要。向精神薬や麻薬類などの一部医薬品は追加文書も必要です。
ヨーロッパへの旅行前には、目的地の大使館や保健当局のウェブサイトで最新の規制情報の確認を。厚生省のサイトでも各国のルールが見れます。
アジア各国の場合
アジア各国では、薬の持ち込みについて国ごとに異なる規制が存在します。国ごとの規制の例は以下のとおりです。
- 中国
- 処方薬の持ち込みには、健康管理局への事前届け出が必要
- シンガポール
- 処方箋が必要な薬だけでなく、あらゆる薬の持ち込みには事前申請が必要
- タイ
- 麻薬類似の薬剤を持ち込むときは、食品医薬品局の許可が必要
- インド
- 他のアジア諸国と比べて規制がゆるい
向精神薬に関しては許可証が求められることがある - マレーシア
- 個人使用を超える量の薬品を持ち込む際には輸入許可証が必要
- 韓国
- 非処方箋薬は個人使用分に限れば問題なく持ち込むことが可能
麻薬や向精神薬の持ち込みには制限がある - フィリピン
- 厳しい輸入規制のある医薬品も存在する
許可なしで持ち込むと押収されるリスクがある
この他、中東、アフリカ、中南米の国々にももちろんルールがあります。各国の規制を守って、安全かつ快適な旅行を楽しみましょう。
海外旅行に持って行くべき薬
海外旅行のときには、さまざまな体調不調にスグに対応できるよう、基本的な薬の持って行くこと(ホテルなどにも用意はありますが、日本人に合わないものもあるので)。常備薬や風邪薬などがあれば、急な体調不良にも安心できます。アレルギーや持病のある人は、治療薬だけでなく、症状が悪化した場合の準備も必要です。
常備薬
海外旅行には常備薬を携帯しておくこと。常備薬は一般的な症状から予期せぬ症状まで、日常の健康管理をサポートしてくれます。おもな常備薬と対応できる症状をまとめました。
常備薬 | 症状 |
バンドエイド | 小さな傷 |
便秘薬 | 環境変化による便秘 |
消毒液 | 手指の消毒 |
日焼け止め | 直射日光や紫外線保護 |
水分補給剤 | 脱水症状 |
非ステロイド性抗炎症薬 | 筋肉痛や関節痛 |
旅先での体調変化にそなえて、常備薬を準備しましょう。
急な体調不良にそなえた薬
急な体調不良にそなえて、一般的な薬を用意することも大切。思わぬ体調不良に見舞われても、以下の薬があると安心です。
薬の種類 | 症状 |
解熱鎮痛剤 | 発熱や頭痛 |
胃腸薬/下痢止め | 食生活の変化による胃の不調や下痢 |
風邪薬 | 鼻水やセキ、ノドの痛みなどの風邪症状 |
抗ヒスタミン薬 | アレルギー反応や虫刺されによるかゆみ |
吐き気止め | 乗り物酔い |
睡眠導入剤 | 眠れないとき |
さまざまな不安が解消できる薬を用意して、海外旅行を楽しみましょう。
アレルギー薬
海外旅行では環境の変化でアレルギー症状が発症しやすいので、気がかりな人はアレルギー薬の持参がおすすめ。とくに抗ヒスタミン剤は鼻水やくしゃみなどに効果があり、アレルギー性鼻炎や皮膚炎に役立ちます。ステロイド入りの点鼻薬や点眼薬も有効ですが、持続時間や副作用に気をつけて選ぶこと。
持病の治療薬
持病を持つ人が海外旅行に行く場合、治療薬の用意は欠かせません。旅行を安心して楽しむために、治療薬を準備するときは以下のポイントを注意してください。
- 持病の病名と使用する薬の名前をリストアップ(英語で)
- 旅行期間に必要な薬の量を確認
- 処方薬の場合、処方箋のコピーを用意
- 服用方法とタイミングが記載された書類を準備
- 盗難や紛失にそなえ、予備の薬や携帯用のケースを準備(大量にならないよう注意)
急な病状悪化にそなえ、対処法や行動計画を検討しておくこと。
海外旅行時に薬を購入する際の注意点
海外旅行時に薬を購入するときは、以下のポイントに注意すると安心かつスムーズに買えます。
- 成分や用量が日本の薬と違う場合が
- 偽薬・不正薬品に注意
成分や用量が日本の薬と違う場合がある
海外の薬は、日本とは異なる成分や用量の可能性があります。同じ名前の薬でも、含まれている成分量が異なることがあるので注意が必要。
安全に薬を利用するためにも、海外の薬に対する理解と注意が必要です。
ニセ薬・不正薬品に注意する
海外で薬を購入するときは、ニセ薬や不正薬品にも注意が必要。ニセ薬や不正薬品は実際の薬と異なり、効果がないだけでなく、健康に害を及ぼす危険もあります。
ニセ薬や不正薬品を購入しないために、以下の点を意識してください。
- 公認の薬局や信頼できる施設で購入
- 製品の包装やラベルの誤字脱字を確認し、怪しい点がないかチェック
- 成分名を確認し、不明な点があれば医師に相談
- オンラインでの購入はニセ薬が出回っていることが多いので避ける
- 旅行前に薬の正規品を確認し、外見や特徴を写メしておく
- 薬の価格が通常よりも極端に安い場合は購入を避ける
- 使用前に配合成分や有効期限、副作用について理解しておく
- WHOや地元保健当局が発表する警告情報をキャッチ
上記のポイントを守ることで、ニセ薬や不正薬品による健康被害を回避できます。
まとめ
海外旅行へ薬を持って行くときは、行き先の国の医薬品持ち込み規制の事前確認がとても重要。処方薬を携帯するには診断書や薬剤証明書が必要な場合もあります。旅行前に医師に相談し、必要な手続きを済ませましょう。
海外で薬を買うときには、成分や用量の違い、ニセ薬や不正薬品のリスクへの注意が必須。現地の医療体制、薬局の情報についても事前に調べておくと、より安心して旅行を楽しめます。
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